陸上競技をはじめ、野球やサッカー、ゴルフやテニス、スキー、格闘技など、あらゆるスポーツ競技種目のアスリートのお尻は、よく鍛えられていて、キュッと締まっていてとても魅力的に見えます。
ではなぜアスリートがいいお尻をしているのかを、さまざまな観点から解説していきたいと思います。
アスリートの体型の特徴
アスリートは、その競技に合わせ、走る・跳ぶ・投げる・蹴るといった特異的なパフォーマンスを高めていくことが必須になるので、同じスポーツをする選手は比較的似た特徴を持つ体型になりがちです。
たとえば、陸上競技のスプリンターでしたら、速く走るために必要な下半身の裏側の筋肉(殿筋群やハムストリングスなど)が発達していて、ブレーキをかけることはあまりしないので、止まるために必要な太ももの前やふくらはぎなどは比較的すっきりしています。
それに対して、サッカーやラグビーなど、急発進・急ブレーキ・急な方向転換などの動きを要求されるアスリートの下半身は裏側(お尻、ハムストリングス)の筋肉はもちろん、太ももの前やふくらはぎの筋肉なども発達しているのが特徴です。
さらに全スポーツに共通して言えることは、“体幹(コア)”と言われるお腹や背中、腰(ウエスト)周りなど体の中心に近い胴体部分も発達しているということです。
スポーツにおける主役となるお尻の筋肉
速く走ったり、高くジャンプをしたり、ボールを速く遠くへ投げたり、強く蹴ったりする動作はスポーツでは基本となる動作ですが、こうした動作を効率よく行うためには、まず体の中心(コア)にある股関節周りの筋肉群(要するにお尻の筋肉)やお腹や背中などの体幹部が連動して働き、アクセルとして出力を調整して使うことがとても重要になってきます。
逆に腕やふくらはぎなど体から遠い部分に過剰な筋肉(重り)がついていると体を動かすのに余分な力が必要になので非効率となり、無駄なパワーが必要になる場合があります。また、股関節周りや体幹(コア)の筋肉が発達していないと強いパワーを発揮することができません。
よってアスリートは自然と股関節周りのお尻やもも裏、体幹の筋肉が発達してきます。下記の画像で競走馬の筋肉のつき方を見ればよくわかることと思います。
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お尻(股関節)を使えるようにし、鍛えることでスポーツパフォーマンスは向上する
スポーツにおけるパフォーマンスアップのための体をつくっていくにあたって、重要なのは股関節周囲の筋肉群であることは今まで説明してきたとおりですが、ここで股関節の機能についてもう少し説明します。
股関節の運動の機能には、屈曲・伸展・内旋・外旋・内転・外転の六つがあります。この六つの機能のうち、なかでも「外旋」作用が重要になります。
これはスクワット(立ちしゃがみ動作)を行う際に大切なポイントで、比較的多くの方が間違えやすい動きでもあります。スクワットやランジ系、デットリフトなどでしゃがむ際に、多くの方がまっすぐしゃがみます。特に女性に多いのですが、内股になってしゃがんでしまうケースも見られます。
しかし、しゃがむ際、股間節はしゃがむ角度と連動して、緩やかに外旋していきます。そして立ち上がる時には、外旋位から反対に内旋して元の立った状態に戻るのです。このように股関節を機能的に使うことで、お尻の筋肉を正しく使うことができます。
ちょうど相撲の四股のポジションや動きをイメージして行うとよいでしょう。そうすると股関節の柔軟性も向上し、お尻の筋肉も発達しやすくなります。さらにお尻が機能的に使えるようになると、スポーツパフォーマンスが向上するだけでなく、腰痛やひざ痛、足首などの関節の痛みも改善されることがあるので、股関節の動きはしっかり身に着ける必要があります。
個人差や遺伝的要素による骨格や筋肉のつき方の違い
スポーツの試合を見ていると、黒人の選手が活躍しているシーンを目にすることが多いと感じると思います。陸上の短距離やバスケットボール、サッカーといった競技では特に黒人選手が活躍しているように思います。世界の人種を大きく分けると3つに分類することができます。白人系(コーカソイド)、アジア系(モンゴロイド)、そして黒人系(ネグロイド)の3つです。黒人のアスリートを見ていると、明らかに体格差を感じます。
黒人系は遺伝的に最も骨格が大きく、アジア系は遺伝的に最も骨格が小さいことが知られています。 骨格に差があるということは必然的に筋肉の量も黒人の方が多くなります。ほとんどのスポーツ競技において、体格が大きい方が有利となります。黒人系の選手は中枢の筋肉が発達しており抹消の筋肉が必要最低限、理想的な量でついているので、効率的に動けたり、パワーを発揮できる筋肉の付き方をしています。
特にお尻やハムストリングが発達しているのに対し、ふくらはぎの筋肉や足首は細くなっています。 陸上短距離で世界新記録を保持しているウサイン・ボルト選手の体型を見てみると、それが分かりやすく反映されていると思います。
このように黒人は人種のグループで見れば遺伝的に大きなアドバンテージを持っていると言えます。
アスリートのような引き締まったお尻を手に入れる習慣
アスリートの引き締まったお尻は、競技特性に応じたトレーニングと日々の習慣から生まれています。その美しい形状と機能性は、多くの人にとって憧れの的です。では、アスリートのような引き締まったお尻を手に入れるために、どのような習慣を取り入れればよいのでしょうか。具体的なポイントを解説します。
1. 股関節を柔らかく保つストレッチ
アスリートの動きの基本は股関節の柔軟性にあります。特にスクワットやランジなどの運動で重要な「外旋」の動きに注目しましょう。おすすめのストレッチは以下の通りです:
- 四股ストレッチ:相撲の四股を踏むような動きで、股関節を外旋させながら柔軟性を高めます。
- ヒップフレクサーストレッチ:片膝をついて前足に体重をかけ、股関節周りを伸ばします。
これらを毎日数分行うだけでも、筋肉が柔らかくなり、お尻のトレーニング効果が上がります。
2. お尻を鍛えるトレーニング
アスリートのようなお尻をつくるには、適切な筋トレが欠かせません。以下のエクササイズを習慣化しましょう:
- スクワット:お尻や太もも裏の筋肉を効率よく鍛える基本動作。しゃがむ際は股関節を外旋させることを意識。
- ヒップスラスト:仰向けで膝を立て、骨盤を持ち上げる動きで、殿筋群を集中的に鍛えます。
- ランジ:片足を前に踏み出す動作で、片側ずつバランスよく鍛えることができます。
週2~3回を目安に、フォームを意識しながら行うことで、引き締まったお尻を目指せます。
3. 有酸素運動を組み合わせる
アスリートのお尻は、筋肉量だけでなく、脂肪が少ないのも特徴です。脂肪を減らして筋肉を際立たせるには、有酸素運動を取り入れることが効果的です。
- ランニング:下半身全体の筋肉を使いながら脂肪燃焼を促進。
- サイクリング:お尻や太ももを強化しながらカロリー消費が期待できます。
30分程度を目安に週に数回行い、体脂肪を効果的にコントロールしましょう。
4. 正しい姿勢と日常の意識
日常生活の中で正しい姿勢を保つことも重要です。猫背や前傾姿勢になると、お尻の筋肉が使われず、垂れやすくなります。
- 座るときは骨盤を立てて、背筋を伸ばす。
- 歩くときはお尻の筋肉を意識して一歩ずつ踏み出す。
意識を変えるだけで、日常生活がトレーニングに変わります。
5. リカバリーの徹底
筋肉を鍛えるだけでなく、しっかり休ませることも大切です。ストレッチやマッサージ、入浴などで血行を促進し、筋肉の疲労回復をサポートしましょう。
アスリートのようなお尻を手に入れるには、ストレッチや筋トレ、有酸素運動、そして日常の姿勢や意識までトータルで整えることが重要です。これらの習慣を取り入れて、理想の引き締まったお尻を目指しましょう!
アスリートのような引き締まったお尻を手に入れる栄養戦略
引き締まったお尻を手に入れるには、トレーニングと並行して適切な栄養摂取が不可欠です。特に筋肉の修復や成長を促進するたんぱく質の摂取が重要です。日々の食事で意識するべきポイントを以下にまとめました。
たんぱく質の摂取が最優先
筋肉を効率よく鍛えるには、たんぱく質を積極的に摂取することが鍵です。おすすめの食材には以下があります:
- プロテイン:トレーニング後30分以内に摂取することで筋肉修復をサポート。
- 肉類:鶏むね肉や牛赤身肉など脂肪が少なく高たんぱくな食材。
- 卵:手軽に摂れる完全栄養食品として優秀。
体重1kgあたり1.2~2gのたんぱく質を目安に、3食に分けて摂るよう心がけましょう。
おすすめサプリメント
筋肉づくりをサポートするために、以下の栄養素をサプリメントで補うのも有効です:
- ビタミンB群:エネルギー代謝を促進し、トレーニング効率を向上。
- ビタミンC:筋肉の修復や疲労回復をサポート。
- ビタミンE:抗酸化作用で筋肉のダメージを軽減。
- 鉄分:酸素運搬能力を高め、持久力アップに貢献。
- マグネシウム:筋肉の収縮やリラックスに必要なミネラル。
まとめ
アスリートの体型は、競技特性や動作に応じた筋肉の発達が特徴的です。たとえば、スプリンターは速く走るためにお尻やハムストリングスが発達し、サッカー選手は急発進や急停止に対応するため太もも前部やふくらはぎも発達しています。
また、どのスポーツでも体幹や股関節周りの筋肉が重要で、効率的な動きを可能にします。特に股関節の外旋や柔軟性がスポーツパフォーマンス向上に直結します。
さらに、黒人選手は骨格が大きく筋肉量が多い遺伝的特徴を持ち、多くの競技で優れたパフォーマンスを発揮します。お尻や体幹の筋肉を効果的に鍛えることで、動作効率が上がり、ケガの予防や競技力向上が期待できます。
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