
写真に写った貫禄のある自分の後ろ姿を見て「これ、私!?」とギョッとしたことはありませんか? 年齢を感じさせるのは、実は後ろ姿です。お尻のたるみは、年齢を感じさせますし、年齢以上に老化を顕著に感じさせます。
今回は、ヒップアップ&キュッと締まった小尻になるための、お尻痩せに効く超簡単トレーニングをご紹介致します。
お尻がたるむ原因
お尻がたるむ原因としては、第一に「筋力低下」です。
なぜ筋力が低下してしまうかという理由を三つあげてご説明していきます。
目に見えない筋肉なので、意識しづらい
体の中でもたるみやすい筋肉は、お尻、背中、二の腕のように体の裏側にあります。 なぜかというと、人間は目が前にあるからです。体の裏側の意識がどうしても薄れ、筋力低下が起きやすくなります。
その意識しづらい筋肉をいかにトレーニングの中で意識できるかが、お尻痩せの鍵となります。お尻の筋肉を使っているという意識がでてくるだけでもお尻痩せの効果はあります。
テレビによく出る女優さんが見る度に綺麗になっていくのは、見られているという意識があるからです。われわれ一般人にはそれがないので、体がだんだんたるんでいきます。
まずはお尻の筋肉の意識を高めることからはじめてみましょう。

デスクワークなど、座っている時間が多い
長時間座っていることも、お尻の筋肉がたるむ原因となります。座っている時間というのは、お尻が休んでいる時間です。
デスクワークの方は、要注意です。
座っている時間が長ければ長いほど、お尻はたるみます。
この場合の対処法としては、理想を言えば30分に一回は立ち上がってほんの少しでもよいので、体を動かすようにしましょう。むずかしければ1時間に一回でも構いません。立ち上がるだけでもお尻の筋肉は働きますので、立つ時間を確保することが鍵になります。

お尻の筋肉が使えていない
お尻の筋肉は別名「アクセル筋」とよばれ、役割としては前に進む際におもに使っている筋肉になります。
日常生活の歩く、走る、階段昇降等の動作では、基本的には後ろに進むことよりも前に進む時間が多くなります。その際にお尻の筋肉が使われているとお尻の筋肉は引き締まり、お尻痩せに効果的です。
しかし多くの方の体の使い方を見てきて思うことは、お尻の筋肉が使えていません。これに関しては、われわれパーソナルトレーナーも初めはできていませんでしたし、考えたこともありませんでした。
何が言いたいかというと、できていないのであればできるようにすれば良いだけということです。そのためには、正しくお尻を使って動作できるような体の使い方を学ぶ必要があります。
※参考動画にてご確認ください。

お尻を鍛えるメリット
お尻を鍛えるメリットはさまざまあります。三つご紹介いたします。
全身の筋肉が連動して働く
お尻を鍛えることの最大のメリットは、全身の筋肉が連動して働くということです。
体の中心にあるお尻の筋肉が使われることで上下に力が伝わります。たとえば男性であればお尻が大きく発達すれば、胸板が厚くなる。女性ならばお尻がキュッと引き締まればウエストもキュッと引き締まるという状態になります。
簡単にお伝えすると、お尻が変わるとすべて変わるのです。あれこれトレーニングをしなくても、お尻を鍛えてお尻が痩せれば、お尻の筋肉に見合った体になるのです。
基礎代謝が高まる
筋肉の約7割は下半身に集中しており、中でもお尻の筋肉は体で一番大きな筋肉になります。お尻に筋肉量が増えることで基礎代謝アップが期待でき、太りづらく痩せやすい体を手に入れることができます。
また筋肉量が増えることで自然と体温が上がり、新陳代謝が活発になり、消費するカロリーが増え、お尻が痩せやすくなります。

使えるお尻になる
日常生活動作の歩く、走る、立つ、しゃがむ、物を持ち上げる等の際にお尻を使っている感覚はありますか? ほとんどの方がNOと答えるのではないでしょうか?
お尻の筋肉自体が体の裏側にあるため、お尻をどのように使えばよいのかわからず、お尻の筋肉を使う感覚が少なくなります。そのためお尻を鍛え、刺激を入れることで徐々にお尻の感覚が養われ、お尻を使う感覚がでてきます。
それには、ただ闇雲にお尻を鍛えればよいのかというとそう簡単ではなく、選択するトレーニング種目が大切になります。トレーニング種目を選択する際は、日常生活に直結する動きでお尻を鍛えているのかということがポイントです。ズバリ「スクワット」になります。
すべての動作の根本にはスクワット動作が隠れているので、スクワットでお尻を使う感覚が出てくると日常生活での動作でお尻を感じることができるようになります。 お尻を鍛えるのは、「使えるお尻」を獲得するために行うものと考えていただいてよいかも知れません。

お尻を鍛える超簡単トレーニング動画
*音声が出ますのでボリュームにご注意ください。
お尻を鍛える種目 10選
お尻の筋肉を効果的に鍛えることは、ヒップアップや基礎代謝の向上、日常生活の動作改善につながります。以下では、初心者から上級者まで実践できる「お尻を鍛える種目」を10選ご紹介します。それぞれの種目にはポイントと効果を解説していますので、自分に合ったトレーニングを取り入れてみてください。
1. スクワット
スクワットは、お尻のトレーニングの基本です。大殿筋(お尻の主な筋肉)を中心に下半身全体を鍛えることができます。
- やり方:
- 足を肩幅に開き、つま先をやや外側に向けます。
- 背筋を伸ばしながらお尻を後ろに引くように腰を落とします。
- 太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、元の位置に戻ります。
- ポイント: 膝がつま先より前に出ないよう注意。動作中にお尻の筋肉を意識すると効果的です。

2. ヒップリフト
お尻を引き締める効果が高く、腰や太ももの後ろ側も鍛えることができます。
- やり方:
- 仰向けになり、膝を曲げて足裏を床に置きます。
- 両手は体の横に置き、息を吐きながらお尻を持ち上げます。
- お尻を締めながら数秒キープし、ゆっくり元に戻します。
- ポイント: お尻を上げる際に背中を反らせず、お尻の筋肉に集中してください。
3. ブルガリアンスクワット
片足を後ろに置いて行うスクワットで、大殿筋を集中的に鍛えることができます。
- やり方:
- ベンチや椅子に片足を乗せ、もう片方の足を前に出します。
- 前足に重心を置きながら、後ろ足を支えにしてしゃがみます。
- 元の位置に戻します。
- ポイント: バランスを保つのが難しいので、最初はゆっくり行いましょう。
4. ランジ
歩く動作に似た運動で、お尻の筋肉をバランスよく鍛えることができます。
- やり方:
- 足を前後に大きく開きます。
- 後ろ足の膝を床に近づけるように腰を落とします。
- 立ち上がりながら、反対の足を入れ替えます。
- ポイント: 背筋をまっすぐ保ち、前足の膝がつま先を越えないよう注意します。

5. ドンキーキック
お尻の筋肉を直接刺激するシンプルなトレーニングです。
- やり方:
- 四つん這いになり、膝を90度に曲げたまま片足を持ち上げます。
- 天井に向かって蹴り上げるイメージで動かします。
- 反対側の足も同様に行います。
- ポイント: 腰を反らさず、お尻の筋肉を意識することが重要です。
6. サイドステップスクワット
横方向の動きでお尻の外側の筋肉を鍛えます。
- やり方:
- 足を肩幅より広く開いて立ちます。
- 左右交互に腰を落とすように動きます。
- 動作を繰り返します。
- ポイント: できるだけ低い姿勢をキープすることで効果が高まります。
7. サイドレッグリフト
横向きに寝て行うトレーニングで、お尻の横側の筋肉を鍛えます。
- やり方:
- 横向きに寝て、下の腕で頭を支えます。
- 上の足を真っ直ぐに伸ばして持ち上げます。
- ゆっくり元に戻します。
- ポイント: 脚を上げる際に反動を使わないように意識しましょう。
8. クラムシェル
お尻の側面(中殿筋)を鍛えるのに効果的なエクササイズです。
- やり方:
- 横向きに寝て膝を90度に曲げます。
- 足を閉じたまま膝を広げます。
- 動作をゆっくり繰り返します。
- ポイント: 膝を広げる際にお尻の外側の筋肉を意識してください。
9. デッドリフト
下半身全体を鍛えつつ、お尻の引き締めに効果的です。
- やり方:
- 足を肩幅に開き、ダンベルやバーベルを両手で持ちます。
- 背中を真っ直ぐに保ちながら、股関節を折り曲げて上半身を前に倒します。
- お尻を締めながら元の位置に戻します。
- ポイント: 腰を反らさず、動作中は背中をフラットに保つことが重要です。

10. ステップアップ
台や階段を使ったトレーニングで、お尻の筋肉を鍛えながら心肺機能も向上します。
- やり方:
- 片足を台の上に乗せます。
- 台に乗せた足で踏み込むようにして体を持ち上げます。
- ゆっくり元に戻し、反対側の足も同様に行います。
- ポイント: 足を交互に動かすことでバランスよく鍛えられます。
お尻の筋肉を鍛えることで、見た目の改善だけでなく、基礎代謝の向上や姿勢の改善、日常生活の動作効率が向上します。トレーニングを始める際は、自分の体力や目的に合わせた種目を選び、正しいフォームで行うことが大切です。継続的にトレーニングを行うことで、引き締まった美しいヒップラインと健康的な体を手に入れましょう。
まとめ
お尻痩せのためには、お尻を鍛えることで代謝を上げ、脂肪を落としながら筋肉量をアップさせる必要があります。しかし、ただお尻が痩せればよいという見ためだけの問題で終わるのではなく、日常生活のいろいろな場面で使えるお尻を獲得してほしいと思います。
お尻を鍛えるのはお尻を使えるようにするためという考えのもと日々のトレーニングに励んでください。すると、いずれ日常生活がトレーニングになり、普段の生活で体が鍛えられるようになります。それこそが理想的な体づくりだとわれわれは考えています。