ゴルフを行っているのであれば、スコアアップや飛距離アップを望まれることは当然のことだと思います。しかし、長いこと打ち込んでも、なかなか結果に表れない人が多くいらっしゃいます。
そればかりか、逆に成績が落ちるなどということも少なくないでしょう。ほとんどの人が残念なことに自分の能力を生かし切れていないことと思います。
今回は、ゴルフの飛距離アップやスイングの安定性向上に必要な筋肉についての解説をしたいと思います。
ゴルフの飛距離アップに必要な筋肉
ゴルフの飛距離アップのためにどこの筋肉を使えばいいのかというと、答えはズバリお尻の筋肉(股関節周りの筋肉)と体幹部の筋肉になります。これはトッププロ達の体型を見ていると一目瞭然です。
お尻の筋肉というのは、体幹部と連動して動くという特性があるために、この筋肉を使える人は、手打ちではなく身体全体で打つことができます。このように、ゴルフにおいて主役となる筋肉、ボールを楽に飛ばすにはお尻の筋肉が肝心ということは、間違いないと思います。
さらにゴルフで使う筋肉は、複合的に使われます。要するに一つの筋肉が単独で動くのではなく、複数の筋肉(ほぼ全身)が連動して動くのです。そのため、直線的あるいは平面的な動きはほとんどありません。複合的に、そして対角螺旋的(3D的)に動くのです。簡単に表現すると「ひねり」という動きが多く使われるのです。
下記の情報も参考に!
↓↓↓
◆『なぜゴルフは、筋トレで上達するのか~タイガー・石川・渋野選手にも共通する要素~』>>
お尻(股関節周り)の筋肉について
身体をつくっていくにあたって、重要な個所というものがあります。その一つに股関節周囲の筋肉群があります。
股関節の英語表記は、hip joint(ヒップジョイント)と言います。これが、理解しやすいのですが、前ではなく後ろ側のお尻の筋肉の中にあるのです。
まず、股関節は、後ろにあるのだということを理解してもらうだけでも身体の使い方は変わります。そして、股関節の機能も理解するとさらに身体の使い方は変わります。
① 股関節の機能
股関節は、屈曲・伸展・内旋・外旋・内転・外転の六つの機能があります。ここでは、詳しく機能を説明することはできませんが、特に大事なことを、お伝えします。
それは、六つの機能のうちの「外旋」作用です。これは、スクワット(立ちしゃがみ)をする際にとても重要で間違いやすい動きなのです。
スクワットでしゃがむ(屈曲)ときに、多くの方がそのまままっすぐしゃがみます。女性に特に多いのですが、内股になってしゃがむケースもあるようです。
しかし、しゃがむ際は、股関節はしゃがむ角度と連動して、ゆるやかに外旋していくのです。少し、ガニ股のような見え方になるかもしれません。このように、股関節は、しゃがむ際に外旋します(加減がありますので、実地指導いたします)。
そして、立ち上がる際に外旋状態から元の場所にもどる(内旋)のです。このような、使い方をすることで股関節周囲のおしりの筋肉を使うことができます。
② 四股のポジションでお尻を確認する
そして、トレーニング初期段階で目指すのは、しゃがみの状態をもっとも低い場所までもっていけるようになることです。ちょうど相撲でいう四股のポジションです。ここまで来れば、股関節の柔軟性も獲得でき筋肉もつきやすくなります。
このような使い方ができると、スポーツパフォーマンスが向上するだけでなく、関節の痛みも改善されることが多いので、この動きはしっかり身に着ける必要がある重要な動きになります。
体幹部の筋肉の重要性について
体幹部の筋肉は、股関節周囲の筋肉同様、身体づくりをするうえでの重要視する箇所になります。
それでは、まず体幹部の場所から解説していきたいと思います。
① 体幹部の筋肉
体幹部の筋肉は、四肢(腕・脚)を除いたすべての箇所と我々は、考えております(腹筋だけではありません)。巷で出回っている体幹系の本では、四肢と頭を除いた全てと表記するのが通常のようですが、頭は姿勢に関与するので、我々は頭も体幹部の一部と捉えております。
体幹部トレーニングの種目は、脊柱(背骨)を安定させることを目的とすることが多いので、それに関与する腹筋群の筋肉に刺激を与えることが多いのです。 しかし、通常のクランチと呼ばれる、丸めたり伸ばしたりする体幹トレーニングは、一番表面の腹直筋というものを鍛えているにすぎず、あまりスポーツや背骨の安定には関与しません。
だからといって必要がないわけではありません。シックスパックと呼ばれる、お腹が割れる状態をつくるのにも必要ですから、ボディーメイクをする際には、必須になることでしょう。
② 腹横筋(コルセット筋)
それでは、体幹部の安定に必要な腹筋は、何なのでしょうか?
それは、最も深層にある「腹横筋」という筋肉です。
別名コルセット筋と呼ばれ、脊柱を包み込むように安定させる作用があります。働いた時の感じはとても地味なので最初のうちは、わかりづらいかもしれませんが、ここがさまざまなシーンで働くようになると、姿勢や動きや、発揮されるパワーが変わります。
ですから、腹横筋をしっかり締められるようになることが、体幹部を使えるようになる初めの一歩になります。
やり方としては、息を吐いてお腹をへこませるようにします。その際に、少しお腹が締まる感覚があれば正解です。先にも、述べましたが、腹横筋は地味に効きますので、「効いた!痛い!!」というようなクランチ(丸める腹筋)のような感じはありません。
しかし、繰り返していくうちに、感覚がわかるようになってくるものなので、毎回のトレーニング時に刺激を与えることが重要になります。そして、体幹部が使えるようになると、股関節からのエネルギーが伝わり、効率的に全身のパワーへと変換されるようになります。
このように、体幹部は股関節と連動して働くために、強化は必須になります。体幹部の筋肉群と股関節の筋肉群の二つの強化は、身体作りを行う上での土台となります。
日常生活の動きで、ゴルフやスポーツは上達する
ゴルフなどスポーツでの身体の使い方と日常生活での身体の使い方は、基本的に同様の動きをします。同じ筋肉、そして同じ関節を用いて行う動作になりますので、考えてみると当然のことなのかもしれません。
たとえば、日常生活でもしゃがむ際は、先にもあげたとおり無意識にできるようになるまで外旋を意識する必要があります。その際に、体幹部が働いている必要もあります。
そう考えてみると日常生活の動きは、ゴルフやスポーツと同じ動きになります。違うのは、出力の差になります。
日常生活は、基本的には歩いて、しゃがんで、物を持つ(時には小走りをする)程度の動きになりますので、非常に出力は少ないといえます。しかし、スポーツは、それとは異なるダイナミックな動きをすることが必要になる場合があります。しかし、出力の差こそあれ、要素は全く同じなのです。
ですから、日常生活での癖は、ゴルフやスポーツを行う上での癖となってあらわれます。このことから、定期的なトレーニングで動きの修正などを繰り返すというのがゴルフやスポーツの技術を向上させる上で必須になります。その動きは、やがて定着しゴルフやスポーツ、日常生活にも生きてきます。
それが、上達するということです。そう考えるとトレーニングの時だけが、ゴルフやスポーツのためになるというのではありません。 日常生活の動きも、丁寧な動きを繰り返すことで、立派なゴルフやスポーツのトレーニングになるのです。
まとめ
お尻や体幹に限らず、普段動かしていない部分の筋肉は、ゴルフでいきなり使うことはできません。
お尻や股関節周りを中心にした下半身を動かせるようになると、体全体の連動性が高まり、さらに上半身の力を抜くことができます。腕主体のいわゆる「手打ち」になりにくく、体全体を使ったスイングになります。
筋肉は、使えば使うほどその使った筋肉が活性化されます。ここで大切なことは、ゴルフに必要な使うべき筋肉を使って日々動いているかということです。下半身の出力は上半身の3倍と言われています。 楽に飛ばすにはお尻の筋肉が肝心ということは、間違いないと思います。