肩こりと同じようにお尻の筋肉も、ハリや凝り固まるのをご存知でしょうか?
お尻の筋肉は体の裏側にあり、意識しづらいので意外と気づいていない方が多くいらっしゃいます。
お尻の筋肉が固まるとさまざまな体の不調を引き起こします。逆にお尻の筋肉が柔らかくなるとさまざまなメリットが得られます。
今回はお尻の各筋肉のストレッチの効果・やり方をご説明していきます。
お尻の筋肉が凝る原因
お尻の筋肉に限らず、筋肉が硬くなる原因としては、「使いすぎ」「使わなすぎ」のどちらかです。
まず使いすぎというのは、筋肉に持続的に力が入り緊張している状態のことです。スポーツなど運動のしすぎによる筋肉疲労が考えられます。
頑張って運動やトレーニングをした翌日に筋肉痛になった経験があると思います。不慣れな運動や激しいトレーニングで筋繊維が傷つき、その筋肉が回復する過程で炎症が起きます。この状態を「超回復」と言いますが、その際筋肉は硬直しているので、筋肉の可動域が少なく体が動かしづらくなります。
もう一つ使わなすぎというのは、本来の筋肉の機能である収縮と弛緩が長時間行われない状態のことを指します。
筋肉は使わない期間があれば衰え、筋肉を構成する筋繊維も短く細くなっていきます。骨折などでギプスをした経験がある方はわかると思いますが、長期間動かさなければ筋肉は萎縮し、関節もほとんど動かなくなってしまいます。
デスクワークなどで体を動かす機会が少ない等の運動不足によっても筋肉は同じように硬くなっていきます。
お尻の筋肉の種類
お尻の筋肉は解剖学では「臀部」と呼ばれ、お尻の筋肉は三つの臀筋(大臀筋・中臀筋・小臀筋)でお尻の深層には梨状筋を含む深層外旋六筋があります。
一つにお尻と言っても多くの筋肉が存在します。今回はそのなかでも大臀筋・中臀筋・小臀筋・梨状筋の四つの筋肉に絞り、その役割とほぐすことでのメリット、そしてストレッチ法をお伝えしていきます。
下記の情報も参考に!
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◆『知っているようで知らない、お尻の筋肉の名前をポイント解説!!』>>
大臀筋の役割
お尻の最表層の筋肉は大臀筋で、単一筋として人体で一番大きな筋肉になります。歩く、走る、しゃがむ、立つ等のすべての動作で使用する筋肉です。専門的には股関節の伸展「脚を後ろに送りだす動作」や股関節の外旋「太ももを回転軸にして、脚を付け根から外向きに回す動作」が挙げられます。
そして別名「アクセル筋」として、前に進むために必要な筋肉になります。人間をはじめ、動物は基本的に後ろに下がることよりも前に進むことの方が多くなります。たとえば日常生活で言うと歩く、スポーツで言うと走る、投げる、跳ぶ等の動作は基本的に前方に力を加えることになります。
その基本動作で大臀筋が使えるとトップアスリートを見ると分かりやすいのですが、大臀筋がとても発達したお尻になります。
大臀筋を感じるエクササイズとして「プリエ」が効果的です。かかと同士をくっつけて立った状態から膝をしっかり伸ばしお尻を締めます。両手でお尻を触ったまま行うとお尻が硬く締まると思います。バレエの動きとして有名ですね。※下記の動画にてご確認ください。
大臀筋をほぐすメリット
上記に記した通り大臀筋は人体で最も大きな筋肉になります。その筋肉が硬くなっていると臀部だけではなく、全身に悪影響を及ぼします。見た目や機能的にも日々ストレッチを行い、大臀筋をほぐしておくことが重要になります。
大臀筋をほぐすメリットとしては、お尻の筋肉がほぐれ柔らかくなることで、全身に血液(酸素)が供給され、その周辺の筋肉も柔らかくなることが予想されます。 すると肩こりや腰痛の緩和、体のだるさ疲れが取れやすくなる、下半身のむくみの解消が挙げられます。また大臀筋のストレッチに限らずですが、ストレッチ全体としての効果として挙げられるのが、怪我の予防です。
柔軟性の低い筋肉は、急な負荷がかかった時に耐え切れず肉離れ等を引き起こすリスクが高まります。 大臀筋をほぐすことで、全身の筋肉の状態が良くなるので、その他多くの怪我の予防に効果があります。
大臀筋のストレッチ動画
中臀筋の役割
中殿筋はお尻の筋肉の中で2番目に大きく、大臀筋に一部覆われてついています。専門的には、主に股関節の外転「脚を付け根から外側に開く動作」で使われ、片足立ちの際に、骨盤がぐらつかないように安定させ、バランスを取る役割があります。
日常生活動作では、意外と片足でバランスを取っていることが多いので、中臀筋が凝り固まり、お尻がだるく感じることも多くあります。
中臀筋をほぐすメリット
日常生活を送るなかで、体を支えバランスを取っているのは足です。しかし長時間立っていたり、たくさん歩く等で足ではなく、中臀筋でバランスを取ろうとします。
また日常生活のなかで無意識にどちらかの足に体重を乗せて立っていることはありませんか?
こうした姿勢が長時間続くと中臀筋に疲労が溜まり、中臀筋に痛みがでる前に、腰が痛くなる場合があります。これを「関連痛」と言います。中臀筋の疲労による痛みが腰の上、少し横のあたりにでます。中臀筋のストレッチを行いほぐすことで腰痛改善の効果が期待できます。 さらに下半身から上半身への血流促進も期待でき、疲労が取れやすくなります。
中臀筋のストレッチ動画
小臀筋の役割
小殿筋は中殿筋と同様お尻の上部に位置していますが、深層にあるのが特徴です。専門的には、主に股関節の外転「脚を付け根から外側に開く動作」で使われ、中臀筋の補佐役としての役割を担っており、小さい筋肉ながら下半身の動きには非常に重要な部位と言えます。
小臀筋をほぐすメリット
上記の通り、小臀筋は中臀筋の補佐役としての役割を担っておりますので、メリットとしては腰痛改善が挙げられます。
小臀筋のストレッチ動画
梨状筋の役割
梨状筋は、股間節外旋六筋と言って、上双子筋・下双子筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・大腿方形筋の中の一つです。 専門的には、主に股関節の外旋・外転「大腿骨を外に回す」「お尻を締める」時に働きます。
梨状筋をほぐすメリット
坐骨神経痛の原因として、梨状筋の拘縮が挙げられます。坐骨神経は骨盤から出て足に向かいますが、その出口付近で梨状筋の下を、トンネルをくぐる形で走行しています。
梨状筋がなんらかの原因で硬くなり、坐骨神経を圧迫することで下半身に痛みや痺れを起こします。ストレッチで梨状筋をほぐすことで坐骨神経痛の緩和が期待できます。
梨状筋のストレッチ動画
臀筋群のすべてを網羅したストレッチ法
お尻のストレッチを検索すると、とてつもない数のストレッチ法があるのでどれを選択すれば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そんな時にこれだけ行えば良いというものがあればわかりやすくて良いですよね。それもとても簡単だとすればなお良いと思います。
今回は最後にその種目をお伝えいたします。
それは「スクワット」です。
スクワットも動作中に臀筋群が収縮と弛緩を繰り返していますので、スクワットを行うことで血流が良くなり、筋肉がほぐれます。ただし臀筋群をしっかり使えるようなスクワットを行わなければまったく効果は得られませんので、やり方が非常に重要になります。
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◆『お尻の各筋肉のストレッチの効果・やり方を解説』>>
まとめ
お尻の筋肉は日常生活動作のすべての動作で使うほど、使用頻度が多い筋肉です。それだけ疲労の溜まりやすい筋肉ですので、日々のメンテナンスが非常に大切です。
なるべく長時間座っていたり、立っていたりと同じ姿勢でいることを避け、こまめに姿勢を変えると良いです。(おすすめは30分に1回です!)そして時間があれば、今回お伝えしたストレッチを行っていただけると良いと思います。