上半身を鍛える筋トレ種目といえば、誰もが思いつくのが、「腕立て伏せ」ではないでしょうか? 特別な器具が必要ないため、取り組みやすいのが魅力です。自分の体重を負荷として、上腕三頭筋・大胸筋をはじめとした筋肉を鍛えることができる王道の筋トレです。
しかし、反動を使ったり、ただ漫然と腕を曲げ伸ばしするだけだと、ケガの原因となったり、せっかくの負荷が逃げてしまうことがあります。シンプルで基本的な動作を求められるからこそ、とにかく重要なのは、“正しいフォームで行うこと”です。
腕立て伏せで鍛えられる部位
腕立て伏せで鍛えられる部位は、おもに大胸筋、三角筋、上腕三頭筋と言われていますが、一番のメインは体幹部です。
そもそも、体幹とは、一般的に頭も含めた胴体全体のことを言います。部位としては、大胸筋、脊柱起立筋群、腹斜筋群、腹直筋、広背筋、臀筋部ととても幅広い部位を指しています。
フォームを頭から踵まで一直線に保たなければいけませんので、腹筋や背筋のインナーマッスルにも刺激が入ります。
腕立て伏せの正しいフォーム
腕立て伏せを効果的に行うには、正しいフォームで行うことが何よりも大切です。間違ったフォームで腕立て伏せを行うと、思うような効果を発揮することができないばかりか、関節を痛めてしまうことにもなりかねません。
しっかりと正しいフォームを身につけ、どこの筋肉に力がかかっているのかを意識しながら行いましょう。
一般的な腕立て伏せの方法
- 床に手と足をつけ、頭の先からつま先まで、一直線になるように体を真っすぐにする。
- 手の位置は、肩幅より少し広めに開き、胸の真横に手の平がくる位置に置く。
- 息を吸いながらひじを曲げ、体をまっすぐにキープしたまま下に下ろす。
- 息を吐きながら、体を上げる。
体幹部を意識した腕立て伏せの方法
- 床に手と足をつけ、頭の先からつま先まで、一直線になるように体を真っすぐにする。
- 手の位置は、肩幅より少し広めに開き、胸の真横に手のひらがくる位置に置く。
- 息を吸いながらひじを曲げ、体をまっすぐにキープしたまま、頭を少し前に移動させながら下ろす。この時、胸から下りるイメージを持つとやりやすい。
- 息を吐きながら、体を上げる。
腕立て伏せを行う時の注意点
体をまっすぐに保つ
腕立て伏せをする時には、お尻が上がったり下がったり、腰が反ったりなどしないように、体を一直線にして、真っすぐな姿勢を保つ。
肘をしっかり曲げる
ひじを曲げる時には、90度くらいになるまでしっかりと曲げて、体を深く下ろす。体を深く下ろすことによって、負荷を得やすくなります。
ひじが90度くらいになるまで、体を深く下ろせないという場合には、まだ通常の腕立て伏せを行えるほどの筋力がない可能性があるので、もう少し強度を下げた方法が必要となります。
呼吸を止めない
腕立て伏せの際の呼吸の基本は、「体を下ろす時に吸って、体を上げるときに吐く」です。ただし、呼吸を意識しすぎて動作に集中できない場合は、自然な呼吸でも構いません。
呼吸を止めてしまう方もいらっしゃいますが、動作中に呼吸を止めてしまうと、血圧の上昇にもつながるため注意が必要です。
毎日やってもいいが休息も必要
腕立て伏せは、毎日行っても問題ありませんが、負荷の掛け過ぎには注意しましょう。
翌日、筋肉痛があるときにトレーニングを行っても回復が追いつかないので、効果が上がりません。その場合は、無理をせずに休息をとるようにしましょう。
腕立て伏せの種類(動画)
基本的な腕立て伏せを応用したメニューをご紹介します。
*音声が出ますのでボリュームにご注意ください
回数はどれくらいやればいい?
個人差もありますが、腕立て伏せの回数は、1セット10~20回くらいで十分です。腕立て伏せの回数は、多くすれば効果的だというわけではありません。腕立て伏せで大切なのは、回数よりも質が大切です。
たとえば、ひじを浅く曲げ、反動で速く動くような腕立て伏せをする方もいらっしゃいますが、そのような腕立て伏せをたくさんの回数こなしても、効果的に筋肉を鍛えることは難しいです。
しっかりと筋肉に負荷をかけた正しい腕立て伏せであれば、10~20回でも十分に効果を得ることができます。
まとめ
自宅で気軽に、筋肉を鍛えることができる腕立て伏せですが、正しいフォームで行うことが大切です。間違ったフォームで、関節などを痛めることがないように注意しながら行いましょう。
また、腕立て伏せの回数をこなすことばかりに集中してしまうと、フォームが乱れ、効果的に筋肉を鍛えることができなくなるので、しっかりと筋肉に負荷をかけることを重視して、少ない回数でも、効果的な腕立て伏せができるよう心がけましょう。