なぜランニングがスポーツの基本といわれているのか

どんなスポーツにおいても、“ランニングや走り込みは基本である”というのは昔から言われていることですが、なぜそう言われているのかを本質的に理解している人は決して多くはないように思います。実際に「走るアスリート」もいれば、「あまり走らないアスリート」がいるのも事実です。

今回は、スポーツにおけるランニングの重要性やランニングを行う際に重要な関節や筋肉などについて、解説いたします。

なぜランニングがスポーツの基本といわれているのか

なぜ、ランニングがスポーツの基本と言われるのかというと、ただ単に体力アップのためではなく、走るときに使う筋肉とその使い方が、実はスポーツをするときの身体の使い方そのものだからです。

走る時は、股関節周りの筋肉群(お尻やもも裏の筋肉など)を中心にその動力を体幹部に伝え、重心移動を行って進んでいきます。この一連の動きがスポーツの動きとリンクしているのです。もちろん、競技性がありますので、まったく同じというわけではありませんが、筋肉の動きの基本は本質的に同じなのです。

そのように考えると、ゴルフをされている人ならば、走っている最中もゴルフの動きとリンクしていることになるとも考えられます。そればかりか、ゴルフそのものの筋肉を強化していることになりますので一石二鳥と言えます。

あるプロゴルファーは、調子が悪くなると身体の使い方を意識してランニングを行うそうです。使う筋肉は同じですから、その際に「意識的に効率の良い走り」をすることで、使うべき筋肉が刺激され、ゴルフの調子も良くなるということです。

このように、走るということは、スポーツにとって良い影響を与える、まさに基本なのです。しかし、その基本の走り方が間違っていると、意味がないばかりか、マイナスになりかねません。

もし、ランニングをして膝などの関節が痛くなるようでしたら、逆効果ということになります。そうならないためにも、走る基本をしっかり学び、そしてそれが行っている競技にリンクされて、競技力やパフォーマンスも同時に向上するようにしましょう。

ランニングに重要な股関節周りの筋肉

ランニングの際に重要な関節やそれを動かす筋肉というものがあります。それが股関節とその周囲の筋肉群(大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋、内転筋、腸腰筋など)です。

股関節と聞くと、多くの方が太もも前の付け根をイメージされるようです。
しかし、解剖学的には、比較的後ろ側に位置します。股関節の英語表記は、ヒップジョイントと言います。ヒップジョイントを直訳すると尻関節ということになります。前ではなく後ろ側のお尻の筋肉の中にあるのです。まず、股関節は、後ろにあるのだということを理解してもらうだけでも身体の使い方は変わります。

そして、股関節の機能も理解するとさらに身体の使い方は変わります。股関節は、屈曲・伸展・内旋・外旋・内転・外転の6つの機能があります。特に重要なことは、この6つの機能のうちの「外旋」作用です。

これは、スクワット(立ちしゃがみ)をする際にとても重要で間違いやすい動きです。スクワットでしゃがむ(屈曲)時に、多くの方がそのまま、まっすぐしゃがみます。特に、女性に多いのですが、内股になってしゃがむケースもあるようです。

しかし、しゃがむ際は、股関節はしゃがむ角度と連動して、ゆるやかに外旋していくのです。少しガニ股のような見え方になるかもしれません。股関節は、しゃがむ際に外旋します。そして、立ち上がる際に外旋状態から逆に内旋して元の場所にもどるのです。このように、機能的な使い方をすることで、股関節周囲のお尻の筋肉を使うことができます。

そして、トレーニング初期段階で目指すのは、しゃがみの状態をもっとも低い場所までもっていけるようになることです。ちょうど相撲でいう四股のポジションです。ここまでくれば、股関節の柔軟性も獲得でき筋肉もつきやすくなります。

このような使い方ができると、スポーツパフォーマンスが向上するだけでなく、関節の痛みも改善されることが多いので、この動きはしっかり身につける必要がある重要な動きになります。

体幹部と連動させてさらに機能的に動く

速く走ったり、高くジャンプをしたり、ボールを速く遠くへ投げたり、強く蹴ったりする動作はスポーツでは基本となる動作ですが、こうした動作を効率よく行うためには、まず体の中心(コア)にある股関節周りの筋肉群(要するにお尻の筋肉)やお腹や背中などの体幹部が連動して働き、アクセルとして出力を調整して使うことがとても重要になってきます。

逆に腕やふくらはぎなど体から遠い部分に過剰な筋肉(重り)がついていると体を動かすのに余分な力が必要になので非効率となり、むだなパワーが必要になる場合があります。

また、股関節周りや体幹(コア)の筋肉が発達していないと強いパワーを発揮することができません。よって、スポーツ選手は自然と股関節周りのお尻やもも裏、体幹の筋肉が発達してきます。下記の画像で、走っているアスリートの筋肉のつき方を見ればよくわかることと思います。

股関節周囲の筋肉群の構造や機能を理解する

スポーツにおけるパフォーマンスアップのための体をつくっていくにあたり、重要なのは股関節周囲の筋肉群であることは今まで説明してきたとおりですが、ここで股関節の機能についてもう少し説明します。

股関節の運動の機能には、屈曲・伸展・内旋・外旋・内転・外転の6つがあります。この6つの機能のうち、中でも「外旋」作用が重要になります。

これはスクワット(立ちしゃがみ動作)を行う際に大切なポイントで、比較的多くの方が間違えやすい動きでもあります。スクワットやランジ系、デットリフトなどでしゃがむ際に、多くの方がまっすぐしゃがみます。特に、女性に多いのですが、内股になってしゃがんでしまうケースも見られます。

しかし、しゃがむ際、股間節はしゃがむ角度と連動して、緩やかに外旋していきます。そして立ち上がる時には、外旋位から反対に内旋して元の立った状態に戻るのです。このように、股関節を機能的に使うことで、お尻の筋肉を正しく使うことができます。

相撲の四股のポジションや、動きをイメージして行うとよいでしょう。そうすると、股関節の柔軟性も向上し、お尻の筋肉も発達しやすくなります。

さらに、お尻が機能的に使えるようになると、スポーツパフォーマンスが向上するだけでなく、腰痛やひざ痛、足首などの関節の痛みも改善されることがあるので、股関節の動きはしっかり身につける必要があります。

プロのスカウトマンは選手の走り方を見て判断する

日本の野球のレベルは世界大会で優勝するほど、非常に高いものと言えるでしょう。よって、日本のプロ野球選手の方たちは、速く走ったり、速く正確にボールを投げたり、打球を遠くへ飛ばしたりといった、あらゆる動きに長けており、言うなれば、ずば抜けた運動神経の持ち主と言っても言いすぎではないと思います。

そういった高い運動神経を持った選手を、いちはやく見出すのが、プロのスカウトマンの人たちです。そのスカウトマンがまず見るのが、選手の走り方、特に「ダッシュの仕方」と「止まり方」だそうです。そこに、その人の動きのセンスが表れるのだそうです。

まさに先述したとおり、走る動きが、スポーツの動きそのものだということです。また、「止まり方」が雑な動きの選手は、ケガをしやすいと推測されるようです。

ランニングや走り込みを特に重視する競技

ランニングでも、瞬発力・スピード・パワーなどスタートダッシュを重視するスポーツには、短距離走、跳躍競技(走り幅跳び、走り高跳び、三段跳び)、投てき競技(砲丸投げ、円盤投げ、やり投げ、ハンマー投げ)、野球、相撲、柔道、ゴルフなどがあります。

その一方で、同じランニングでも持久力・スタミナなど、走り込みを重視するスポーツには、長距離走(マラソンやトレイルラン)やトライアスロン、スキーのクロスカントリーなどがあります。

そして、スピード、パワー、なおかつスタミナも両方必要とされる競技、たとえば、ラグビーやサッカーなどのフットボール、バスケットボールやハンドボール、自転車競技、スケート競技、格闘技、特にボクシングなどは、求められる要素が多岐にわたるため、「真のプロアスリート」と言えるのではないでしょうか。

まとめ

このように、ランニングがスポーツの基本と言われるのは、ただ単に体力アップのためというわけではなく、スポーツにおける動きとリンクしているからです。

そして、スポーツで使う筋肉は、複合的に使われます。要するに一つの筋肉が単独で動くのではなく、複数の筋肉(ほぼ全身)が連動して動くのです。

ですから、コアとなる体幹部との連動も重要になってきます。スポーツ選手やアスリートはその競技に合った特異的なパフォーマンスを高めていくためにももっとも基本となるランニングの動きを見直す必要があると言えるでしょう。

動画紹介

下記に、お役立ちの動画を紹介いたします。
ぜひ、皆さまの体づくりの参考にしてください。

【ランナー必見】プロが教える正しい走り方のポイント「重心移動」
【ランナー必見】プロが教える正しい走り方のポイント「フラット接地」
ランニングトレーニング 促通トレーニング
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