お尻周辺には数多くのツボがあり、それぞれ体にいい効果があります。ツボを刺激することによって、美容面でいうとむくみや冷えが改善されるため、お尻痩せやヒップアップが期待できます。つらい腰痛や坐骨神経痛にも、筋肉が柔軟になりコリがほぐされることで、改善されます。
今回は、お尻周辺の代表的なツボの効能や、症状別に最適なツボを紹介しています。
ツボを刺戟すると何がいい?
ツボ療法は、2000年前には確立していたと言われ、現在は東洋医学の中心であり、多くの人にその効能が支持されてきました。2006年には、WHO(世界保健機関)がツボの位置を361か所にまとめ、関節炎や神経痛、目や耳などの疾患にツボを刺激する「鍼灸療法」が有効であることを認めました。
ツボを刺激することで、病気の予防や健康維持・老化防止、そして美容効果も期待できます。
お尻周辺にある代表的なツボ
腎愈(じんゆ)
腎愈は背中側にあり、おへその位置で腰に手を置くと親指が自然と届く場所にあります。腰痛に効果があり、腎愈にカイロなどで温めると痛みが和らぎ、また予防にもつながります。
腎愈には「腎疾患を治すツボ」という意味があり、「腰や足が重い」「疲れがとれない」「トイレが近い」といった、腎臓の働きが低下すると現れる症状にも効きめがあります。押し方は、椅子に座って背筋を伸ばし、親指でツボを押しましょう。
大腸愈(だいちょうゆ)
大腸愈は、腸を整え、便秘を解消するツボです。便秘に効果的なツボは手足にもありますが、大腸愈は腸の蠕動運動を促すため効果が大きいです。
背面にあり、骨盤上端と同じ高さで、背骨から指2本分外の左右にあります。仰向けになり、背中の下でこぶしをつくって、ゆっくりとツボを押しましょう。
次髎(じりょう)
次髎は、骨盤内の血流を促進するため、おもに泌尿器や子宮・卵巣の機能を改善するといわれています。
次髎は仙骨(お尻にある平らな骨)の中央から左右2センチほど離れたくぼみにあります。腎愈と同じように、椅子に座ってツボを少し強めに押してみましょう。
環跳(かんちょう)
環跳は膝や股関節に特効性のあるツボで、特にお尻の筋肉に柔軟性がなくなることで引き起こされる膝痛には、大変有効とされています。
環跳は、立った状態でお尻のくぼんでいるところに位置します。ここを押す・揉む・温めるといった方法で刺激します。
承扶(しょうふ)
承扶は、ヒップアップや足痩せ・坐骨神経痛に効くツボです。お尻と太ももの境にある横じわの真ん中に位置します。お尻や太ももに命令を出す神経の通り道にあるため、足のしびれにも効果的です。
ツボの押し方は、両手でお尻を抱え込み、左右の承扶を中指で押していきます。お風呂上りなど、血行がよくなっているときにオススメです。
ヒップアップや引き締めに効果のあるツボ
お尻のたるみの原因は、筋力の低下や冷え・骨盤のゆがみ・老化などいろいろあります。エクササイズや筋トレも重要ですが、ツボ押しも美尻に近づくためにとても有効です。
ツボ押しによって血行がよくなると、老廃物や余分な水分・脂肪が流れやすくなり、セルライトの解消やお尻痩せにつながります。筋トレによる筋肉へのアプローチも届きやすくなり、引き締めにも効果的です。
ここでは、ヒップアップ効果を狙ったツボを見ていきましょう。上記に紹介した「承扶」「環跳」「次髎」は、いずれもヒップアップに効くツボです。ここをマッサージすることで、お尻・太もも・足のむくみが改善されますので、ツボ押しを習慣にするとよいでしょう。
腰痛や坐骨神経痛に効くツボ
「足がだるい、痛い」「いつも腰や脚に痛みがある」「膝や股関節にも痛みが出ることがある」など、そんな症状に悩んでいる方には、今回ご紹介するツボが効果的です。
軽い腰痛は「お尻のコリが原因」というケースが多く、お尻のコリを改善することで腰痛の解消も期待できます。「承扶」「腎愈」「環跳」が腰痛、坐骨神経痛に効果のあるツボです。硬くなったお尻を、力任せに押したり揉んだりすると、筋肉を傷めてしまう場合もありますので、優しく刺激しましょう。
まとめ
ご紹介した以外にも、お尻にはいくつものツボが存在します。代表的なツボを知っておくことで、普段のコンディショニングやダイエットにも役立ちます。
ゆっくり息を吐きながら、「イタ気持ちいい」くらいの強さで、5秒〜10秒ほど圧迫します。少しずつ血行がよくなって、からだがポカポカしてくるのを感じられると思います。
ツボ押し専用の棒などで押すのも効果的ですが、やりすぎは禁物です。筋肉に負担がかかって、逆効果になることがありますので注意しましょう。