股関節周辺の筋トレ完全攻略マニュアル

理想的なスクワットのフォーム

股関節は球関節として知られており、関節可動域が非常に広く、あらゆる方向に動く関節です。股関節の動作としては、六つの働きがあります。日常生活やスポーツでは、その六つの動きをうまく複合させて体を動かしているわけですが、詳しく股関節の動作を知っている方が少ないのが現状です。

この機会に、股関節のことをもっとよく知っていただきたいので、今回は股関節の各動作のご説明、また、その動作で使用する筋肉、筋トレ法をお伝えしてきます。

股関節を構成する筋肉群

股関節の基本的な動きとしては、屈曲・伸展・外転・内転・外旋・内旋の動作になります。

日常動作やスポーツの場面では、単一方向だけに動く事はほとんどなく、二つ以上の運動が複合されて股関節は使われます。

まずは、各動作で使用する筋肉をご紹介していきます。

各動作別の筋肉

股関節は、以下のように数多くの筋肉で構成されています。

  • 股関節屈筋群
    腿上げのように、足を前に上げる動きになります。
    使用する筋肉は、おもに腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)になります。
  • 股関節伸筋群
    足を後ろに引く動きになります。使用する筋肉は、大臀筋です。
  • 股関節外転筋群
    足を外側に広げる動きになります。使用する筋肉は、中臀筋です。
  • 股関節内転筋群
    足を内側に上げる動きになります。
    使用する筋肉は、内転筋群(大内転筋、小内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、恥骨筋の総称です)
  • 股関節外旋・内旋筋群
    股関節を捻る動作です。
    使用する筋肉は、臀筋群(大臀筋、中臀筋、小殿筋)、深層外旋6筋(梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋の総称です)

脚の筋肉や深層にあるインナーマッスルまで含めると、非常に多くの筋肉が関節の動きに係わっています。

どれか一部でも弱る、または、疲労により硬くなると筋バランスが崩れてしまいます。そのため、日頃から筋トレを行い、コンディションを整えておく必要があります。

股関節の6つの動作

股関節の各動作別筋トレ法

各動作別のオススメ筋トレ法をご紹介していきます。どの種目も道具を使わずにできますし、とても簡単なものをご紹介いたしますので、日々の生活に取り入れやすいかと思います。

股関節屈筋群のトレーニング

使用する筋肉は、腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)になります。動作は「腿上げ」を行うことで、鍛えることができます。簡単にみえて、意外と奥が深いのが腿上げトレーニングです。

ポイントは、体全体をできるだけ大きく使って、しっかり足を上げて行うようにしましょう。そして、上げた時に足を外側に開きながら上げることが重要です。これは、股関節の機能的な動作「屈曲・外旋」の動作です。

正しく腿上げを行うことで、股関節の機能的な動きを身につけることができますので、ぜひ行ってみてください。※動画にて動作を確認してください。

もも上げ体幹トレーニング

股関節伸筋群のトレーニング

使用する筋肉は、大臀筋です。おもに、お尻の筋肉を使う動作になりますので、ヒップアップに効果的な筋トレになります。

また、日常生活やスポーツの動作では、臀筋群を使用する頻度が多いので、お尻に刺激を入れることで動作中に意識がしやすくなり、お尻の筋肉が自然と使えるようになります。これはアクチベーションと言って「活性化させる」ということです。

ですので、ウォーミングアップとしてお尻の筋トレを行うことは非常に有効的です。

ランニングのための筋トレ バックキック

股関節外転筋群

使用する筋肉は、中臀筋です。動作としては脚を付け根から外側に開く動作で使われ、片足立ちの際に、骨盤がぐらつかないように安定させ、バランスを取る役割があります。

人間は、進化の過程で二足歩行になったため、日常生活動作では片足でバランスを取っていることが多いので、中臀筋が凝り固まり、お尻がだるく感じることも多くあります。

筋トレを行い、血流を良くすることで、疲労を取り除くこともできますので、定期的に行うようにしましょう。

バランス能力向上トレーニング

股関節内転筋群のトレーニング

使用する筋肉は内転筋群(大内転筋、小内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、恥骨筋の総称です)です。股関節内転筋群は、内腿に位置する普段なかなか使う頻度の少ない筋肉です。

それぞれ、恥骨や坐骨といった骨盤から、太ももの大腿骨内側に付着しているため、鍛えて引き締まると、足を内側に寄せる動きや、骨盤を立てて姿勢を良くする作用があります。

プリエ運動

股関節外旋・内旋筋群のトレーニング

股関節を捻る動作です。使用する筋肉は、臀筋群(大臀筋。中臀筋、小殿筋)、深層外旋六筋(梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋の総称) です。股関節内旋は、「つま先を内側に向ける」動きです。

一方、股関節外旋は「つま先を外側に向ける」動きです。この内旋・外旋の動作を機能的に行うことで、日常生活やスポーツの動作のパフォーマンスアップにつなげることができます。

股関節の動きをスムーズにさせる

キングオブトレーニング「スクワット」

股関節は、人体でもっとも大きな関節で、ここまでお伝えしてお分かりのとおり、股関節の動作に関係する筋肉は非常に多くあります。

各関節の動作に分けてトレーニングを行えば、すべての筋肉が鍛えられることにはなりますが、少々時間がかかりすぎてしまいます。

また、前述のとおり、股関節は日常動作やスポーツの場面では、単一方向だけに動くことはほとんどなく、二つ以上の運動が複合されて股関節は使われます。

ということは、各動作に分けて単一動作ごとに筋トレを行ってしまうと、単一動作だけを行うような体の使い方のシステムが身につき、複合運動ができにくい体の使い方が身についてしまいます。ですので、あくまでも上記であげた筋トレ種目は、その動作で使う筋肉を意識させたり、動作を身につけるために補助的に行うようにすると良いと思います。

では、股関節の筋トレでどの種目を取り入れれば良いのかというと、ズバリ『スクワット』です。スクワットには、これまでお伝えした股関節の六つの動作がすべて組み込まれており、すべての筋肉を同時に鍛えることができます。

ただし、股関節を正しく使うことのできるフォームで行わなければ、うまく鍛えることができませんので注意が必要です。動作は動画にてご確認いただければと思います。

正しいスクワットが簡単にできるやり方
スクワット動作中の注意点について

お尻のトレーニングとストレッチ

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膝が出てはいけない理由とは?

まとめ

股関節周辺の筋肉の筋トレの基本は、『スクワット』です。

スクワットを正しく行うことができなければ、股関節を完全攻略することはできません。股関節を機能的に使うスクワットができて初めて、股関節周辺の筋トレが完全攻略できたということになります。

ただ、股関節に対する知識を深めるために、股関節の各動作で使う筋肉や筋トレ法を知ることも非常に大切なことです。各動作で使うべき筋肉にしっかり刺激を入れて、意識を高めるとよいと思います。そして、スクワットの動作中に、意識を高めた筋肉を感じながら筋トレができると効果も上がります。

股関節周辺の筋肉は非常に多いので、はじめは筋肉を感じることは難しいとは思いますが、訓練を積めば分かってくるかと思いますので、ぜひ行ってみてください。

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