有酸素運動と無酸素運動の違い

有酸素運動と無酸素運動の違い

運動を大きく分けると、「有酸素運動」と「無酸素運動」になります。それぞれの運動の特徴を理解すると、効率的に体力づくりやダイエットが行えます。

今回は、有酸素運動と無酸素運動の違いや、それぞれの効果について解説していきます。

有酸素運動とは?

有酸素運動は心拍数を一定に保ちながら、比較的長い時間持続しておこなう運動です。つまり「酸素を十分に使いながら長い時間おこなう運動」のことを言います。

体内の糖質や脂肪をエネルギー源として燃焼することによって、長時間エネルギーを生み出し続ける有酸素運動には 一般的にウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などがあります。

有酸素運動を室内でおこなうためのステッパー、エアロバイク、クロストレーナーなどのさまざまな種類のマシンがあり、その時の天候や気分に合わせて選べることや、気軽にはじめられるのも有酸素運動の魅力といえます。

また、有酸素運動は、それぞれの目的によってレベル(運動強度)を変える必要があります。年配の方や生活習慣病(高血圧や糖尿病など)の運動療法としておこなう場合は比較的軽め(心拍数120前後)の有酸素運動(ウォーキングなど)を行い、スポーツの基礎体力養成や持久力アップのためであれば、「激しくはないが、ややきつい」というレベル(心拍数150以上)で行う必要があります。

また、ダイエット(脂肪燃焼)が目的の人は有酸素運動のなかでもややレベルを上げて、「少しきつい」もしくは「少し息がはずむ」程度の強度(心拍数130~150程度)でできるだけ長く続けることで、より多くの脂肪を燃焼することができます。

有酸素運動とは?

有酸素運動の効果

有酸素運動にはさまざまな効用があります。

健康面でいうと、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させ、逆に善玉コレステロールを増やします。さらには血糖値を下げることで生活習慣病の予防や改善にもつながります。

運動能力の面で言うと、心肺機能が高まり、体力、持久力が向上します。体を動かして体内のエネルギーを発散させることで、気分転換にもなりストレスを解消する効果があるのです。

また、体脂肪(内臓脂肪・皮下脂肪)の燃焼にも優れた効果を発揮します。有酸素運動は20分以上続けないと脂肪が燃えないと言われていますが、最近の研究ではそうではないと結論づけられています。

皮下脂肪が分解され、エネルギーとして使われはじめるのが運動開始後15~20分だと言われていますが、筋線維の中にも脂肪はあり、これはもっと早い段階からエネルギーとして使われているのです。また20分続けて運動するのと、休憩を挟んで10分ずつ運動をするのとでは、効果はあまり変わらないということもわかってきています。

無酸素運動とは?

無酸素運動とは、瞬発的な筋肉(白筋・速筋)を用いた運動のことです。

無酸素の運動といっても、運動中に呼吸をしないわけではありません。おもに糖質をエネルギー源とし、エネルギーを生み出す際に有酸素運動のように酸素を必要としないため、無酸素運動とよばれているのです。

無酸素運動は、筋力トレーニングや100m~400m走などの短距離走、重量上げなど、比較的短い時間に筋肉を全力で使うような運動をいいます。このような運動は酸素ではなく糖質をエネルギー減としているのです。無酸素運動は瞬間的に大きなパワーを発揮しますが、ごく短時間しか持続できないという特徴があります。

「陸上競技の400m走は無酸素運動の限界」と言われますが、これは無酸素運動の持続時間の限界がだいたい41秒前後だと言われているからです。400m走は男子でだいたい45~60秒前後で走ります。ということは、400m走という競技は、最初から全力をだしてしまうと最後までは理論的にもたないのです。

しかし、無酸素運動の限界近くで勝負しないと、良いタイムは期待できません。これが、もっとも過酷でキツイ競技といわれるゆえんです。

無酸素運動とは?

無酸素運動の効果

無酸素運動は、筋肉を強化・肥大させるのに効果的です。

筋肉を付けることの効用としてはさまざまなものがありますが、まずは基礎代謝量の増加があげられます。激しい運動をしなくても日常生活だけで、脂肪を燃やしてくれるので痩せやすく、太りづらい体質になるので、ダイエットやシェイプアップにも非常に効果的です。

筋力がついて基礎代謝が上がれば、たとえ一時の不摂生でリバウンドしたとしても、すぐに体重をコントロールすることができるので、体型の維持がしやすくなります。筋力トレーニングなどの無酸素運動は毎日やるよりも、2~3日に1回程度の頻度でおこなうと筋肉がつきやすいです。

また、筋力トレーニングなどの無酸素運動をすると瞬間的に脳の酸素が不足します。すると脳は酸素を取り込もうと、脳血管を太く広げます。そして脳にたくさんの酸素が送られることで、脳の電気信号が効率的に伝達されるようになり、結果的に「脳効率」がアップするそうです。

まとめ

有酸素運動と無酸素運動の特徴や効果を知っていれば、自分の目的によって運動を選択することができます。もちろんどちらの運動も必要なので、日によって変えてみるのもよいでしょう。

ちなみに、ダイエットなどで効率よく脂肪燃焼させるためには、筋トレの後に有酸素運動をおこなうことをおすすめします。筋トレ後に分泌される成長ホルモンが脂肪を分解して燃焼しやすい状態になるので効率よくダイエットがおこなえます。

筋トレからの有酸素運動

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