体は、食べたものでつくられていきます。そして体は、食べているものに似てきます。パンを食べている人は、パンみたいにフワフワで柔らかい脂肪の多い体になります。赤身のお肉を食べている人は、ムキムキで筋肉質な引き締まった体になっていきます。
これは冗談ではなく、本当にそうなるのです。体つきを見れば、ある程度は普段どんなものを食べているのかが分かってくるのです。
今回は、普段の食事で何に気をつけて食事内容を選択すれば良いのかをお伝えしていきます。
食事のタイミングと内容
日々、食事をとるうえで、もっとも大切なことは、食事のタイミングと内容です。朝昼晩の食事で、どの時間帯にどの栄養を摂取するかということです。
たとえば、糖質で考えた時に、糖質が何のエネルギーになるかというと、「脳」のエネルギーになります。糖質(いわゆるブドウ糖)が枯渇すると、脳はエネルギーをつくることができず、思考能力が低下してしまいます。さらに集中力が欠け、やる気もでず、イライラするなど、仕事も勉強もはかどりません。
ですので、一日のはじまりの朝は、しっかりと質の良い糖質を摂取する必要があります。
しかし、夜に関しては(夜勤などの場合を除いては)、多くの場合、睡眠を取ります。そのため、脳のエネルギーを摂取する必要をありませんので、夕食は糖質抜きの食事ということになります。その代わり、睡眠中に疲労した筋肉を修復したり、筋肉がより強く構築されますので、夕食では、たんぱく質を中心とした食事にすると良いと思います。
そして、昼食では、午後の時間帯も仕事や勉強で頭を働かせると思いますので、糖質とたんぱく質を中心とした食事にします。
人それぞれライフスタイルが違いますので、一概には言えませんが、食事を摂取する際は、自分の体に本当に必要なものなのかどうかを考えたうえで、食事内容を選択するとよいと思います。
ただただ、お腹が満たされれば良いという話ではありません。必要なものを必要なだけ摂取するようにしましょう。
自然に近いものを摂取しよう
先ほどの話では、朝には脳のエネルギーになる糖質を摂取する必要があるという内容でした。では、糖質であれば何でも良いかというと、決してそうではありません。
糖質(いわゆる炭水化物+食物繊維の事)ですが、いろいろな種類があります。白米、パン、フルーツ、麺類、イモ類、お菓子類がありますが、何を選択するべきだと思いますか?
朝食としてのオススメは、「フルーツ」です。バナナやリンゴ、キウイフルーツ、もも、イチゴ等フルーツであれば何でもよいかと思います。意外にも、フルーツの果糖が血糖値や中性脂肪値を上げてしまうと避けている方がいらっしゃるのですが、これはまったくの誤解です。
フルーツの果糖は、満腹時に摂取すると中性脂肪に変わりますが、空腹時に摂取すると、エネルギー代謝に使われますので、脂肪に変わることはありません。また、ブドウ糖は、インスリンの分泌を上昇させますが、フルーツの果糖は、インスリンへの刺激作用がありません。
特に、食物繊維を多く含むフルーツは、GI値(血糖値の上昇の度合いを表す数値)が低く、血糖値が上がりにくく、体への負担もありません。
白米、パン、麺類、お菓子類等に関しては、自然界に存在されているものではなく、人の手が加わっているものです。そういった精製されたものに関しては、大体糖質以外のものも含まれている可能性が高く、どういった栄養素が含まれているのかが分かりづらいので、知らずに余計なカロリーを摂取していることになりかねません。
また、前述したとおり、米や小麦粉などのブドウ糖は血糖値を上昇させますので、体に負担をかけてしまいます。そのため、摂取すると眠くなったり、イライラしたりと集中力が散漫になってしまいます。小麦に関しては、砂糖よりもGI値が高いと言われていますので、注意が必要です。
たんぱく質に関しても、肉、魚、大豆、卵、納豆の事ですが、自然な状態のものを同じように選択しましょう。一目見て、肉、魚とわかる状態で食べてください。
たとえば、肉を食べる時にハンバーグだったり、魚を食べる時に魚肉ソーセージだったりしないようにするといった感じです。元の形がわからないものですと、たんぱく質以外のものが含まれていて余計なカロリーを摂取することになります。
自分で赤身100%のハンバーグを作って食べるならまだしも、売っているものや外食する時に、食べるハンバーグに何の栄養素が含まれているかが不透明になりますので、糖質でもたんぱく質でも人の手が加わっているものは基本的には避けるようにしましょう。
具体的な食事メニュー
それでは、具体的に朝、昼、夜の食事メニューを掲示したいと思います。あくまでも基本メニューですので、その方のライフスタイルによって、外食(お付き合い)や食の好みがありますので、その際は、臨機応変に対応していく必要はあるかと思います。
【朝食】
フルーツ中心。量は約バナナ2~3本分のカロリー。リンゴなら1個。キウイ3~4個。もちろん、リンゴ半分とバナナ1本などでもOKです。そこにヨーグルト(プレーン)、コーヒーやお茶も摂取しても大丈夫です。
【昼食】
おにぎり2個(鮭と昆布)豆腐サラダ、野菜スープ等 or ランチ等の外食では、通常の定食などから、ご飯を半分にして注文。慣れてきたら、ご飯抜き。
【間食】
寒天ゼリー(カロリーゼロ)野菜ジュース、プロテインドリンク等。
【夕食】
ご飯(炭水化物)抜きで、おかず(たんぱく質)中心の食事。鶏肉150g、サラダ類(カッテージチーズを入れる)、野菜やキノコ、海藻類のスープ等。
〇お酒の種類
一般的に、お酒を飲むと太るというイメージを持たれている方が多くいらっしゃいますが、決してそのようなことはありません。特徴と種類をしっかり理解すれば太ることはなく、むしろ健康に良いとされています。
しかし、アルコールには食欲を増進させる作用がありますので、「食べ過ぎてしまった…」ということがないように、お酒と一緒に召しあがる食事内容も非常に大切になってきます。
まず、特徴として押さえておきたいことは、アルコールのエネルギーです。アルコールのエネルギーは「エンプティカロリー」といって体に蓄積されることはありません。飲むとすぐに体が燃焼してくれる仕組みになっています。お酒を飲むと体が温まるのはそのためです。
ですが、「お酒はすぐに燃焼されるから、どれだけ飲んでも太らない」ということではありません。正確には、「アルコールから摂取したエネルギーを優先して、それ以外(食べ物やお酒に含まれる糖質)から摂取したエネルギーの消費が後回しになる」ということです。
つまり、お酒だけでは太らないけど、その分を消費するまでは、その他のエネルギーは消費しないわけです。したがって、余った分のエネルギーは、すべて中性脂肪として体に蓄積されてしまうのです。
では、どの種類のお酒を飲むのがよいかと言うと、お勧めは蒸留酒です。焼酎、ウイスキー、ブランデー等です。これらは糖質が含まれていない(もしくは非常に少ない)ので、アルコール以外のカロリーはほとんどありません。ですから、食事にだけ気をつければよいということです。
逆に、気をつけなければいけないのは、醸造酒です。日本酒、ビール、ワイン、カクテル等です。これらにはエンプティカロリーに加えて、糖質が含まれています。ですから、飲みすぎるとオーバーカロリーとなり、中性脂肪として体に蓄積されます。上記にあげたお酒は、ダイレクトに皮下脂肪に変わる可能性が高いと理解しましょう。
また、締めのラーメンやデザートはもうお分かりと思いますが、非常に危険です。アルコール摂取後に締めのなにかを食べる習慣のある方は、控えるようにした方がよいです。
このような内容の食事を基本として考えていただくとよいと思います。
また、決して正しい食事以外してはいけないというわけではなく、お菓子やパン、麺類、醸造酒も食べる日があってもよいと思います。ただし、そういったものを食べた後は、健康に良い食事に戻す等の調整をしながら、偏った食事にならないように注意する必要があると思います。
続けられることを取り入れよう
健康な体というのは、一時的に食生活を変えたところで、急に手に入れられるものではありません。日々、健康的な食事を続けることで、少しずつ体は変わっていきます。
今回お伝えした食事メニュー以外にも、現在では、食生活に関する情報は数えきれないほど存在します。なにを選択するかは、その方次第ですが、ぜひ、無理なく続けられるものを選択するとよいと思います。
食事は、いやでも毎日しなければならないことですし、死ぬまで食べなければなりません。そんな時に、体を変えるためだからと、無理に栄養バランスの偏った食事をしていても、一時的には体は変わるかもしれませんが、結局続かず、元の食事に戻り、体も元に戻ってしまいます。
食生活は、先の人生5年、10年、さらにもっと先の未来を見据えて、考えていく必要があります。それだけの期間が経ってやっと、「続けていてよかった」と感じることができるのだと思います。
まとめ
健康的な食生活を送るために必要なことは、食事のタイミングと内容です。体に良いとされるものでも、タイミングによっては、必要のないものになります。
ぜひ、これからはただ何気なく食べるのではなく、食べることで自分に体に対してどのような影響を及ぼすのかを考えたうえで、食事を摂るようにしましょう。まずは朝、昼、晩で軸となる食事メニューをつくってみてはいかがでしょうか?
その時その時の流行りに惑わされ、軸がブレてしまっては、健康な体を手に入れることはできません。でも時にはおいしいパンやパスタ、ラーメン、醸造酒、お菓子を食べてください。我慢のしすぎは、いつの日か我慢の限界をむかえ、その反動が必ずきます。
そして、食べた後は、再度健康的な食事に戻すというように調整していけば、まったく問題はありません。食生活は、今後の自分の人生を大きく左右します。今一度、食生活について見直してみるとよいのではないでしょうか。