疲労が溜まるとなぜケガが増える?

疲労が溜まるとなぜケガが増える?

スポーツの世界では“スポーツにケガはつきもの”とよく言われます。スポーツに取り組んでいる方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。確かにトップアスリートでもケガをすることは多々ありますし、スポーツ愛好家の方、ジュニア世代もケガをします。

しかし、本当に『スポーツにケガはつきもの』であれば誰もスポーツは行いません。実はケガをしやすいタイミングというのが存在するのです。

今回は疲労するとなぜケガが増えるのかを解説していきます。

ケガをしやすいタイミングとは?

ケガをしやすいタイミングとは?

ケガをしやすいタイミングはおもに以下の4つがあります。

  1. 疲労が蓄積しているとき
  2. ウォーミングアップに問題があるとき
  3. トレーニングの内容がガラッと変わったとき
  4. 練習量や強度が急激に増えたとき

疲労が蓄積しているときは言うまでもなく、けがをしやすい状態にあります。

疲労により筋力やパワー、柔軟性などが低下した状態でいつもと同じ動作をしたときに、筋肉が必要以上の力を発揮したり、いつもより大きな力で引き伸ばされたりすることがあります。このようなときにケガは起こりやすいです。

疲労の原因は運動やトレーニングから来るものと考えがちですが、それだけではありません。仕事や学校生活、居住環境や人間関係など、人は生活する上でさまざまなストレスを抱えます。そのストレスが許容量を超えた場合、疲労となり身体に悪影響を及ぼします。

疲労回復に有効なこととは?

疲労は、「末梢性疲労」と「中枢性疲労」に分類することができます。

末梢性疲労は、体の疲れのことを言い、中枢性疲労は、脳の疲れ(心理的・精神的)のことを言います。これらの疲労を回復させるために下記のことを意識してみましょう。

良質な睡眠をとる

睡眠は脳や体の休息時間であり、疲労を回復させるために一番重要です。質のよい睡眠をとるために、以下の3点を意識しましょう。

① 適度な運動をする
② 入浴で体を温めリラックスする
③ 眠る3時間ほど前までに食事を済ませる

バランスのとれた食生活に気をつける

必要な栄養素をバランスよく、食べることが大切です。糖質、脂質、タンパク質のバランスにくわえ、ミネラルやビタミン類もしっかり摂りましょう。

バランスのとれた食生活に気をつける

生活リズムを整える

生活リズムが不規則になると、睡眠の質の低下や、食生活の乱れにもつながります。ONとOFFのメリハリをつけ、意識して休息時間を確保することが大切です。

ケガの予防、回復方法

ケガの予防に有効なのは、疲労を早期に回復させることです。もうすでにケガをしているのであれば、そのケガが酷くならないようにケアをして早期に治すことをしなければなりません。

たとえば、スポーツを行っているのであれば、練習量を減らしたり、練習の頻度を少なくしたりするなど、全体のトレーニング量を調整することで疲労を取り除き回復を図ります。その後、ケガの種類や状態によって冷やす、温めるといった処置を行います。

以前はケガの際はアイシングが有効とされていましたが、最近の研究でアイシングを行うと筋肉の再生が遅れることが確認されたのです。アイシングによる血流の低下によって、筋肉の再生に必要なマクロファージという細胞の働きに影響が出ているそうです。アイシングには痛みを緩和する効果がありますが、損傷した組織の回復にはマイナス面があるようなのです。

こうした中、アメリカ大リーグでは、ケガの処置について変化が起こっています。現在、選手のケアにはアイシングにくわえて温める方法を取り入れているそうで、「ケガの直後は冷やし、その後、温める」というケアが推奨されています。

「東洋医学」では捻挫や打撲などのケガについて「血が滞っている状態」と考えています。そのため、お灸で温めて血行を良くしたり、血液の流れを促す漢方薬などが用いられています。

ケガの状態や種類に合わせたケアを行うことで、早期回復が見込めます。ケガの種類ごとに説明します。

ケガの予防、回復方法

急性のケガ(打撲・捻挫・肉離れ など)

患部の痛みや熱をおさめるため、ケガの直後は冷やす。そして、痛みが和らいだら温めたり動かしたりして血流をよくする。

慢性のケガ(肩こり・腰痛 など)

痛みが起こっている場所の血流を良くするため、基本的に温め、血流を良くします。ストレッチやエクササイズなどを併用すると、より効果が期待できます。

疲労(重だるさ・むくみ など)

血流を促進させて、筋肉に蓄積した老廃物などを解消させます。もっとも効果的なのが、温浴と冷浴を交互に行う「交代浴」です。それぞれ2分行い、4回繰り返すのが目安です。

ケガ・疲労のケアについて

まとめ

スポーツの現場では、選手同士の接触などで事故的なケガもありますが、それでも大半は疲労が引き金になり集中力や思考力が散漫になることで、思うように体を動かすことができず無理をしてしまい結果的にケガをする場合が多いです。

一般の方も同じようにストレスにさらされ精神的、身体的疲労を抱えてしまい疲れが抜けないことでケガをしてしまいます。

しかし普段から、疲労を溜めないよう回復に努めることでケガを予防することができます。もしケガをしても適切な処置を行えば、早期に回復できるはずです。

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