「最近、なんだか疲れているなぁ」「しっかり寝ていても疲労が取れない」等のトラブル……。病気ではないけれど、日々「なんとなく不調」を訴える方は多くいらっしゃいます。もちろん疲れが抜けない理由は、一つではありませんが、いつもなんとなく口にしている食べものが原因で疲労を感じやすくなっている可能性があります。
今回は、食べると体に疲労を感じさせる食事についてお伝えしていきます。
グルテン
グルテンとは、簡単にいうと「小麦」の事を指します。パン屋やパスタ、ラーメンやピザ、お菓子、カレールーなどの「加工食品」にグルテンは含まれています。
グルテンを含む食べものは、われわれも食生活に非常に身近なものばかりなので、普段から食べていると気づかないのですが、体にとても大きなダメージを与えます。
グルテンで腸が傷つき、疲労が溜まる
最近では、腸がグルテンに対して過剰に反応したり、グルテンを消化しにくいグルテン不耐症(過敏症)の人が増えているそうです。
そのような方がグルテンを摂取すると、小腸の粘膜に問題が生じて炎症を起こし、必要な栄養素が十分に吸収されなかったり、不要な毒素が体内に取り込まれ、慢性的な不調を起こす原因になります。その結果、便秘、下痢、めまい、イライラ、関節痛、疲労感、ADHD(注意欠損・多動性障害)、抑うつなど多岐にわたり不調が起きます。
またグルテンによって腸内に起きた炎症が、副腎という臓器の疲労の原因になる事が疲れを溜める原因ともなります。
血糖値の急上昇、急降下
グルテンが体に入ると、小麦に含まれる『アミロペクチン』が分解され、血糖値が急上昇し、急いで膵臓からインスリンを分泌させ、血糖値を急降下させます。血糖値が急降下することで、低血糖状態となり、体が重たく感じ「眠くなる」という現象が起こります。
カフェイン
カフェインはコーヒー、紅茶、緑茶などの身近な食品に多く含まれています。最近では、カフェインを多く添加したエナジードリンクが増え、眠気ざましや集中力を高めるなどの理由で摂取する方が増えました。
もちろん過剰に摂取しなければ特に問題はないですが、人によって摂取できる量も違いますので、一概にどのくらいの量までということはお伝えできません。日々カフェインを摂取する方は、体の反応にしたがって量を見極めると良いです。
カフェインを摂取しすぎるとどのようになるのかをお伝えしていきます。
覚醒・興奮作用で眠れなくなる
カフェインの効果は、4時間程度持続し、約8時間程度で体内から半減すると言われています。 そのため、寝る前だけではなく寝る8時間前でも、カフェインを含む食事をする事で体が覚醒・興奮作用で睡眠が阻害されます。
またカフェインには中毒性があり、カフェインのせいで十分な睡眠が取れなければ、目ざめても疲れが取れないし、疲れが取れていなければ日中の時間帯に眠くなり、これまで以上にカフェインが欲しくなるという悪循環にはまります。カフェインの量が増える度に睡眠の質と量は悪化します。
疲労物質「アデノシン」
体が目ざめている間、脳細胞は活発に動きます。その結果、『アデノシン』という物質が生まれます。普段はアデノシンが生まれ、一定レベルに達することで眠くなります。
カフェインには、アデノシンと結合できる特異な性質があり、構造がよく似ています。本来ならばアデノシンが増え、体は休息モードに移行しますが、そこにカフェインが来るとアデノシンから送られる「疲れた」「眠い」という信号をブロックするので、カフェインを摂取すると疲労や眠たさがなくなってしまいます。
そしてカフェインを摂り続けると徐々に体に耐性がつき、効き目が薄くなります。するとカフェインを摂取する量が増え、アデノシンが生まれる量も増え、以前にも増して疲労を感じやすくなっていきます。
リン酸塩(加工食品)
リン酸塩は、商品が腐らないようする為の防腐剤、増量剤、ビタミンCの分解防止、冷凍食品の変色防止剤などさまざまな用途で使用されています。
アメリカの一般的な食事での食品には約70パーセント含まれている程一般的な添加物です。またファミリーレストランのような場所にあるドリンクバーのコーヒーなどにも増量剤として使用されていることが多いようです。
リン酸塩の過剰摂取により、骨密度の低下、腎臓疾患、免疫力低下など健康への影響も懸念されます。 またある研究では、血中にリン酸塩が高い人は、疲れやすくなり、運動と活動が低下するということがわかっています。
高脂肪食
高脂肪食とは、脂肪分が多く高エネルギーな食事のことを言います。
一般家庭で作る特に日本食では、高脂肪食になりケースは少ないですが、外食では高脂肪食になる可能性が高くなります。揚げもの、脂身の多い肉製品、サラダドレッシング、洋菓子(バター、生クリーム)などが高脂肪食になります。
たとえば昼食でパスタ、ラーメン、カレーライス、ハンバーガーなどの高脂肪食を食べた後、眠くなった経験はありませんか?
ある大学の研究では、高脂肪食を多く食べている人は、昼間に眠くなる確率が高くなるという研究があります。食事を終えてから1時間〜1時間半後に倦怠感がピークになります。その結果、夜は睡眠障害に苦しみ疲労が溜まっていきます。
まとめ
普段何気なく口にしている食べものが、知らないうちに体にダメージを与えてしまい疲労を感じやすくしていることがあるということを知っていただけたと思います。
ただ体にダメージを与えるとはいえ、これらの食べものも非常においしい食べものですので、まったく生活のなかから排除するというわけではなく、過剰摂取を控え、摂取するタイミングなどを考えると良いと思います。(休日に摂取するなど)
いま一度、現在の食生活を見直し、どんなものを口にしているかをぜひチェックしてみましょう。そして食べている場合、一度完全に抜いてみるのもオススメです。きっと違いを感じることと思います。すると今まで以上に日常生活は、楽になるのではないでしょうか。