正しい体の使い方を身につけるパーソナルトレーニング【下半身編】

正しい体の使い方を身につけるパーソナルトレーニング【下半身編】

下半身には、お尻、太もも、ふくらはぎといった体のなかでも、かなり大きな筋肉があり、体全体の約6〜7割の筋肉を占めていると言われています。そして、日常生活動作やスポーツの場面の体の動きの大半は下半身になります。

そのため、下半身の正しい体の使い方を身につけて、下半身を強化していく必要があります。
今回は、その方法をご紹介していきます。

下半身を鍛えて得られる効果

日常生活動作で、上半身と下半身の使う割合を考えた時、どちらの割合が多いかというと、圧倒的に下半身を使うことのほうが多くなります。歩く、走る、立つ、しゃがむ等、どのような動作をしたとしても下半身を使うことになります。

下半身を鍛えると上半身にも筋肉がつく

悲しいことに、これだけ日常的に使っていたとしても、体の筋肉は下半身から落ちてしまいます。それにともない、上半身の筋肉も同時に落ちることになります。

ただし、基本的には上半身の筋肉は、下半身の筋肉に見合った筋肉量になりますので、下半身をしっかり鍛えていれば、筋肉は落ちることはありません。ただ、逆は考えにくいです。上半身ばかり鍛えていても、それに見合った下半身にはなりません。

基礎代謝が向上する

前述したとおり、下半身には、全身の筋肉の約6~7割の筋肉量がありますので、代謝量が向上しやすいです。基礎代謝が上がることで、太りにくい痩せやすい体を手に入れることができます。

むくみが改善する

女性であれば、下半身のむくみが気になる方は多いと思います。血液や老廃物が重力の関係で下に溜まってしまうのが原因ですが、下半身の筋肉を動かすことで、心臓と同じようにポンプを使い、上へ上へと流し、循環が良くなることでむくみが改善されます。

怪我のしにくい体になる

怪我に関しては、筋肉を強化することで改善するかというと、可能性は限りなく0%に近いです。

たとえば、膝が痛い人がいたとして「ももの前の筋肉を鍛えなさい」「体重を落としなさい」等のアドバイスをよく耳にするのですが、明確に「膝が痛まない筋肉量はどのくらいなのか?」「どのくらい体重が減れば膝を傷めないのか?」と、かなり不確定要素が多すぎてわかりづらいですね。

筋力不足で膝を傷めるのであれば、筋肉量が十分すぎるほどあるアスリートでも膝を傷めているケースもありますし、体重が原因で膝を痛めるのであれば、力士の方は全員膝を傷めているということになってしまいます。

もちろん、筋肉量が少なすぎれば、体を支えらず膝を傷めることもあるかもしれません。体重が重すぎれば、膝への負担が大きすぎて膝を傷めることもあるかもしれません。

でも、まずそこから着手するのではなく、それは「正しい体の使い方」を身につけてから、行うことだと思います。

正しい体の使い方、間違った体の使い方

では、正しい体の使い方とは何か、間違った体の使い方は何か、ということをご説明していきたいと思います。

人間の体を車に例えた場合、アクセル筋(前に進むための筋肉)とブレーキ筋(後ろに下がる筋肉)の二つに分けることができます。「アクセル筋はおもにお尻の筋肉」「ブレーキ筋はおもに前ももの筋肉」です。

われわれ人間の動作を考えた時に、日常生活で前に進んでいる時間と、後ろに下がっている時間でどちらが多いと思いますか?
言うまでもなく、前に進んでいる時間が圧倒的に多くなります。ブレーキをかけ、後ろに下がる場面など、ほぼないに等しいです。

しかしながら、日常生活やスポーツで体を動かしている際に、ブレーキ筋を優位に使っている方は非常に多くいらっしゃいます。そのブレーキ筋を使った間違った動きを正しい体の使い方に変え、アクセル筋を使えるようにしていく必要があります。

ブレーキ筋を優先に使っていると、体はどうなるのか?

人間は、ブレーキ筋を優位に使っていたとしても、車と違って前に進んでしまいます。

車でいえば、ブレーキを踏みながらアクセルを踏んで前に進んでいる状態になります。すると、車体に対する負担が大きくなってしまい、故障してしまいます。

人間の体も、まったく同じようなことになります。無理に体を動かし続けると、筋肉や関節を痛めてしまいます。ブレーキをかけながらでは、体の負担が大きくすぐに疲れてしまうので、長い時間動くことが困難になります。活動代謝も下がり痩せにくい体になっていきます。

また、前ももの筋肉というのは大きくなりやすい筋肉ですので、日常から優位に使っていると足が太くなります。そして、前ももと連動して働くふくらはぎの筋肉も大きく発達しますので、下半身全体の筋肉が太くなってしまいます。

アクセル筋を優位に使っていると、体はどうなるのか?

日常的に、アクセル筋であるお尻を使っていると、自然と前に進みやすくなります。

車でいうと、アクセルを踏み続けている状態になりますので、どんどんエネルギーを消費します。人間も同じことが起こり、どんどんエネルギーを消費しますので、自然と体が引き締まり、痩せてしまいます。

お尻の筋肉は、体力のある筋肉ですので、使えるようになると、それだけでたくさん動けよるようになります。すると、自然と活動量が増え、自然と体力がつきます。そして、体力がつくと、またたくさん動けるので、痩せるといったように良い方に進んでいきます。

また、お尻の筋肉は、それなりには大きくなりますが、大きくなるよりも引き締まる筋肉ですので、使って刺激が入るとヒップアップします。お尻の位置が上がり、足が細く長く見えるようになります。

まとめ

アクセル筋(お尻の筋肉)を日常的に使えるようになると、日常生活そのものが筋トレになります。たとえば、歩いたり、走ったり、階段を上り下りしたり、物を持ち上げたりする動作が自然と筋肉を鍛える運動になるのです。

その結果、日常生活を送るために必要な筋肉がつきますが、それ以上に余計な筋肉はつかないため、ムキムキにはなりません。体は引き締まり必要な筋肉が維持されるので、筋肉が落ちにくくなります。

さらに、スポーツをしている方の場合は、そのスポーツに必要な筋肉が効率よくつきます。つまり、日常生活を活発に過ごしていれば、生活に必要な筋肉を保ち続けることができるのです。

日常生活は広い意味では「運動」と同じです。日常生活をトレーニングと考えて過ごしている人と、そうでない人では、将来的な健康や体力に大きな差が生まれます。

日常の動作を意識するだけで、健康的な体を保つ第一歩となるのです。

参考動画

*音声が出ますのでボリュームにご注意ください。

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