ダイエットを頑張って体重が減っても、太ももが細くならずに悩んでいる方が多くいらっしゃいます。また、太ももを細くしたくて筋トレをしていても、逆に、「前より太くなった?」と間違った筋トレを行ってしまっている方もいます。
特に、太ももの筋肉はとても大きい筋肉ですので、鍛え方によっては太くなります。そして、日常生活動作で太ももが太くなるような動作を繰り返し行うことで、どんどん太ももが太くなっていきます。
今回は、太ももを痩せさせて、細くするための体の使い方と、筋トレ法をお伝えしていきます。
太ももの筋肉
大腿四頭筋
大腿骨につながる筋肉を大腿筋といい、四種類の筋肉からなっています。四つの頭(筋肉の起点)に分けられている大腿筋の筋肉の総称で、大腿四頭筋の内訳は大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋になります。全身の筋肉のなかで、もっとも強くて大きい筋肉です。
膝を伸ばす動作を行う筋肉になります。別名「ブレーキ筋」とよばれ、トップスピードから減速する、歩いている際に立ち止まる時に使用します。
ハムストリングス
ハムストリングスは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の三つから構成されていて、この三つの筋肉は二関節筋(股関節と膝関節にまたがる筋肉)と言われ、股関節と膝関節のどちらの動きでも働きます。
機能としては、簡単に言うと膝を曲げる、股関節を伸ばす動きをします。また臀筋郡と密接な関係があり、臀筋郡と連動して働き、臀筋郡と共に別名「アクセル筋」とよばれ、前に進むために使用します。
太ももが太い人の特徴
人間に限らず、動物は基本的には前に進みます。後ろに下がることもあるにはあるのですが、前に進んでいる時間と比べると、その差は歴然です。圧倒的に、前に進んでいる時間が長くなります。
ということは、太ももの筋肉は前側と後ろ側と分けられますが、どちらを多く使うかというと、後ろ側のハムストリングスで「アクセル筋」になります。
極端な例ですが、四足歩行動物の体を見ると非常にわかりやすいのですが、体に比べて足が非常に細いと思います。特に競走馬は、前にしか進めません。横に移動することも、後ろに下がることもできません。四足歩行動物は骨格の構造上、体の裏側の筋肉を使うように自然となるので、足が細くなるのです。
ここまで話すとおわかりになると思いますが、太ももが太い人の特徴として、「ブレーキ筋」である大腿四頭筋を、日常生活動作やトレーニングの際に使用してまっています。歩く、走る、立つ、しゃがむといった日常生活動作、また筋トレで大腿四頭筋を中心とした体の使い方を身につけている可能性が高いです。
前述したとおり、大腿四頭筋は全身の筋肉のなかで、もっとも大きな筋肉ですので、鍛えると太くなる筋肉です。アクセル筋もそれなりには大きくはなりますが、大きくなるよりも引き締まる筋肉ですので、足は太くなりません。もちろん、大腿四頭筋も非常に大切な筋肉ですので、まったく必要ないというわけではなく、必要以上にはいらないということです。
アクセル筋を使えるようにするには?
今現在、日常生活動作で、どの筋肉を使っているのかが簡単にわかる方法があります。それは、「スクワット」立ちしゃがみ運動です。しゃがむ動作で、膝の位置が立っている箇所から前に動いてしまう方は、ブレーキ筋を使っている可能性が非常に高いです。
日常生活動作を分解すると、そのおおもとに「スクワット動作」が隠れています。何が言いたいかというと、スクワット動作を行った時にブレーキ筋を使っているのであれば、日常生活動作でもブレーキ筋を使っているということです。
それを、ハムストリングス「アクセル筋」の使い方に変えるには、簡単です。膝を前にださなければよいだけです。お尻を後ろに引いて、ももの裏側が伸びるイメージです。
※動画でご確認ください。
競技にもよりますが、スポーツは基本的には前に力を発揮させます。野球、ゴルフ、テニス、バレーボール、陸上競技、スキー等いろんな競技がありますが、すべて構えはスクワットの形になります。トッププロでスクワットの構えで膝が前にでている選手はいません。
そして、そういった選手の体を見た時に、体に比べて足が細くスラッとしている気がしませんか?
彼らはブレーキ筋ではなく、アクセル筋が使えているので、自然と足が細くなるのです。
今現在、ブレーキ筋を使っている人は、体の使い方をアクセル筋に変えましょう。すると、大腿四頭筋は日常生活ではほぼ使わなくなるので、いい意味で大腿四頭筋の筋肉が落ちます。そして、必要最低限の筋肉だけが残ります。
脚を細くする方法
太ももが太くなりやすい原因の一つは、大腿四頭筋という太ももの前側の筋肉を日常生活やトレーニングで過剰に使ってしまうことです。
大腿四頭筋は人間の体の中で最も大きな筋肉で、使えば使うほど発達して太くなります。
反対に、太ももの裏側にある「ハムストリングス」という筋肉は、前に進む力を生み出す「アクセル筋」として働きます。この筋肉を正しく使うことで、足を細く引き締めることが可能になります。
自然界を見てみると、動物たちは体に比べて足が細いことが多いです。
特に競走馬のような動物は、前に進む動きに特化しているため、体の裏側の筋肉を主に使い、足が太くなりません。人間でも同じように、日常生活やトレーニングで「アクセル筋」であるハムストリングスを意識的に使うことで、足をスラッとした形にすることができます。
脚を細くする具体的方法
- 姿勢と歩き方の改善
日常生活での姿勢や歩き方を見直すことが大切です。重心をかかとに置き、歩くときにハムストリングスやお尻の筋肉を意識的に使うようにしましょう。足の前側ではなく裏側で地面を押す感覚を身につけると、アクセル筋を活用できます。 - スクワットのやり方を見直す
トレーニングの代表的なスクワットも、やり方次第で効果が変わります。膝を前に出さないように意識し、重心をかかとに置いてお尻を後ろに引く動作を意識してください。これにより、大腿四頭筋ではなくハムストリングスやお尻の筋肉を効果的に鍛えられます。 - ヒップエクステンションを取り入れる
ハムストリングスやお尻を鍛えるのに効果的なエクササイズです。うつ伏せになり、片足ずつ後ろに持ち上げる動作を行うことで、アクセル筋を鍛えられます。ポイントは動きの中でしっかりと筋肉を収縮させることです。 - 日常生活での工夫
立つ・座る動作をする際も、ハムストリングスを意識して使うことで足が細くなります。例えば、椅子から立ち上がる際は膝ではなくお尻を後ろに引くように動き、足の裏全体で地面を押す感覚を意識しましょう。 - 過剰な負荷を避ける
大腿四頭筋に過剰な負荷をかける運動やトレーニングは控えめに。例えば、ランニングの際に前側で着地する癖がある人は、足裏全体を使った走り方を心がけることで太ももの負担を減らせます。
継続が鍵
これらの方法を取り入れることで、足が細く引き締まる体の使い方が自然と身についていきます。
ポイントは「アクセル筋」を日常的に使い、前に進む動作を効率化することです。トレーニングだけでなく、普段の動きそのものを見直すことで、無理なく理想の足に近づくことができます。
太もも痩せのための筋トレ動画
*音声が出ますのでボリュームにご注意ください。
まとめ
体を引き締めるために筋トレは効果的ですが、もっと効率的な方法があります。
それは、日常生活そのものをトレーニングに変えることです。
毎日ジムに通い筋トレをする人もいますが、多くの方にとってそれは難しいことです。
仕事や家事、育児で忙しく、筋トレの時間を作るのが大変だと感じる方も多いでしょう。
そこでおすすめなのが、日常生活の動作を通じて自然に体を鍛える方法です。
これなら特別な時間を確保する必要がなく、普段の生活の中で少し意識を変えるだけで、体が変わっていきます。
例えば、立ち姿勢を意識する、歩き方を改善する、普段の家事や仕事中の動きを工夫するなど、小さなことから始められます。
考えてみれば、自然界で筋トレをしているのは人間だけです。
動物たちは日常の動きの中で自然と体を鍛えています。
私たちも、日常生活がそのままトレーニングになるような習慣を身につければ、無理なく体を引き締めることができるのです。