パーソナルトレーナーが教える正しい歩き方

パーソナルトレーナーが教える正しい歩き方

日常生活動作の基本とも言える歩行ですが、今まで「歩く」をきちんと習ったことはありますか? 大半の方はないと思います。そして残念ながら多くの方が間違った歩き方をされています。

日常生活に「歩く」は必須なのに、なぜ、学校などで学ぶ機会がないのかが疑問です。にも関わらず学校ではいきなり歩行の応用、走る等といった複合運動から行っています。これは変な話、算数の授業で足し算を習わず、いきなり掛け算から学んでいるくらいおかしなことです。基本ができていなければ、その後につながる動作がうまくできるはずがないのです。

今回は、正しい機能的な歩き方をお伝えしていきます!

歩く時に使う筋肉

人間の体を車で例えた時に、アクセルとなる筋肉とブレーキになる筋肉に分けることができます。人間をはじめ、動物は基本的に前に進む時間のほうが多くなります。よって、歩く時には、アクセルとなる筋肉を使う必要があります。

しかし、多くの人を見てきて思うのは、歩く動作で前に進んでいるにも関わらず、アクセルの筋肉ではなく、ブレーキの筋肉を使っている人が非常に多いということです。そういう方の特徴として、体の関節・筋肉に痛みを抱えている、足が太い、体力がない等があります。

四足歩行動物ならば、体の使い方を学ばなくても、自然とアクセルの筋肉を使うことができるのですが、良くも悪くも人間は進化の過程で二足歩行になり自由度が増したおかげで、良い方にもいくし残念ながら悪い方にもいきます。だからこそ、正しい体の使い方を学ぶ必要があるのです。

アクセルの筋肉とブレーキの筋肉

「アクセル筋=お尻ともも裏の筋肉」の事を言います。関節でいうと股関節になります。歩く際には、股関節の筋肉「お尻」を使うことが重要になります。

逆に、「ブレーキ筋=ももの前の筋肉」の事を言います。関節でいうと膝関節になります。歩く際に、膝関節の筋肉「ももの前」を使ってしまうと、ブレーキがかかってしまうので、前に進みたくても進むことができません。

車であれば、ブレーキを踏んでいれば前に進むことはありませんが、人間は、ブレーキを使っていても前に進んでしまいますので、関節や筋肉に負担がかかり体に支障をきたします。

重心移動で歩く

ここからは、実際に歩くうえでのポイントを説明します。

機能的に歩くということを別の言い方にすると、いかに骨格の構造、各筋肉の役割を考え、体に負担をかけずにたくさん動けるかということです。

ではどうするのかというと、歩く際に足を使って歩かないようにします。足を使わないようにするというと少し極端な言い方になってしまいますが、動作中に自然と使われてしまうといった感じです。

たとえば、高校野球の入場行進のような、足をしっかり上げて足の筋力で頑張って歩いてしまうと、すぐに足が疲労し、長く歩くことが困難になります。

「さすがにあんなふうには歩いていませんよ!」と、よく皆さま仰いますが、あの動きは極端に大きな動きのため、あからさまにあのように見えますが、普段の歩く動作では動きが小さいために見えないのです。ですが、間違った歩きをされている方の多くは、あの行進のようなに足の筋力で頑張って歩いてしまう「要素」が含まれているケースが多いです。

足を使わない方法としては、非常に簡単で「重心移動をうまく使う」必要があります。垂直に立った状態から体を少し前に傾けます。すると、自然と足が一歩前に勝手にでてしまうとも思います。その繰り返しで歩くのです。「おっとっと」という感じで、前のめりに歩くと次々に足がでてくると思います。

すると、「足を頑張って前にださなくても、自然と足がでてきてしまう状態」で歩くことができるため、着地の瞬間の一瞬だけ筋肉が働くだけで、体に対する負担が減りますので、疲れずに長い時間歩くことが可能になります。

足の接地は「フラット接地」

では、自然に足が前にでたとして、次に大切なことは接地の仕方です。接地の仕方一つで、使われる筋肉が変わりますので注意が必要です。効率良く歩くために適した接地方法は、足裏全体での接地「フラット接地」です。

歩き方指導での間違いとして多いのが、「踵から接地して、つま先で蹴る」です。実際に、私も専門学校(スポーツトレーナー科)でそのように学びました。踵から接地をすると、一瞬ブレーキがかかるために前に進む動作を阻害してしまいます。

また、つま先で蹴るように歩いてしまうと、今度はふくらはぎの筋肉が余計に頑張ってしまうので、すぐに疲れてしまいます。もも前の筋肉とふくらはぎの筋肉は同時に連動して働くので、足全体がパンパンに疲労します。

毎回、このように無理に筋肉を頑張らせる、ブレーキをかけて関節・筋肉に負担をかける、体の使い方をしていると体を痛める原因となります。このような歩き方は、特に膝関節に負担をかけますのでご注意ください。

その点フラット接地では、持久力に富み、前方への推進力を生み出す「お尻・もも裏の筋肉」いわゆるアクセル筋が自然と使われるので、その動作に変えるだけで長い時間歩くことができるようになります。

あとは、自然と使われる関節・筋肉は動作中必要な時に必要なだけ使われますので、最小限の力で動けます。体への負担が少ないために、障害を負うリスクは減ります。

重心移動で、自然と足がでた時の接地がフラット接地」の2点のポイントを頭の片隅に入れて、歩いてみましょう。

スクワットで意識づけする

日常的に、アクセル筋であるお尻を使っていると、自然と前に進みやすくなります。

車でいうと、アクセルを踏み続けている状態になりますので、どんどんエネルギーを消費します。人間も同じことが起こり、どんどんエネルギーを消費しますので、自然と体が引き締まり、痩せてしまいます。

お尻の筋肉は、体力のある筋肉ですので、使えるようになると、それだけでたくさん動けよるようになります。すると、自然と活動量が増え、自然と体力がつきます。そして体力がつくと、また、たくさん動けるので痩せるといったように、良い方に進んでいきます。

また、お尻の筋肉は、それなりには大きくなりますが、大きくなるよりも引き締まる筋肉ですので、使って刺激が入るとヒップアップします。お尻の位置が上がり、足が細く長く見えるようになります。

参考動画

*音声が出ますのでボリュームにご注意ください。

スクワットの注意点
片足スクワット運動!

正しい歩き方をするためのシューズの知識

正しい歩き方を習得するためには、体の使い方だけでなく、適切なシューズ選びも重要です。シューズは、足の動きをサポートし、歩行時の負担を軽減するための道具であり、不適切なシューズを履いていると、正しい歩き方を実践することが難しくなります。ここでは、正しい歩き方に役立つシューズ選びのポイントを解説します。


1. サイズとフィット感

シューズ選びの基本は、自分の足に合ったサイズとフィット感です。サイズが合わないシューズを履くと、足先の変形や靴ずれ、膝や腰への負担が増加します。購入時には、以下のポイントを確認してください:

  • 長さ: 足の指先に少し余裕があるもの(約1cm)。
  • : 足の甲がきつくないが、緩すぎないもの。
  • かかとのフィット感: かかとがしっかり固定されるもの。

試し履きは、実際に歩いてみて感触を確認することが重要です。


2. クッション性と反発性

歩行時の衝撃を吸収するクッション性と、前に進む推進力を助ける反発性のバランスが取れたシューズを選びましょう。適度なクッション性があれば、膝や腰への負担を軽減できます。また、反発性があるソールは、正しい歩き方をサポートし、効率的に歩けるようになります。


3. 柔軟性

シューズの柔軟性も重要です。歩行中に足は自然と曲がりますが、靴底が硬すぎるとスムーズな歩行が妨げられます。シューズを手で曲げてみて、足の付け根部分が自然に曲がるものを選びましょう。柔軟性のあるシューズは、フラット接地で歩く際に役立ち、足の自然な動きを助けます。


4. アーチサポート

足裏のアーチ部分をしっかりサポートするインソールが付属したシューズは、歩行中の安定性を高めます。足のアーチは、衝撃を吸収し、体全体のバランスを保つ重要な役割を果たしています。インソールが適切に足を支えることで、疲労感を軽減し、正しい歩行フォームを維持しやすくなります。


5. 重量

シューズの重量は軽量であることが理想的です。重い靴は足の疲労を増やし、正しい歩き方を妨げる可能性があります。特に長時間歩行する場合や日常的に使用する場合は、軽くて快適なものを選びましょう。


6. 適切なソールの形状

ソールの形状は、歩行時の足裏の接地に影響を与えます。フラット接地を実現するためには、滑りにくく安定感のあるソールを選ぶことが大切です。つま先が持ち上がりすぎているシューズは、前方への推進力を妨げることがあるため注意が必要です。


7. 耐久性と使用目的

シューズは用途によって求められる機能が異なります。たとえば、ウォーキングシューズはクッション性と柔軟性に優れていますが、ランニングシューズは推進力を高める構造になっています。日常的な歩行や通勤などには、ウォーキングシューズが適しています。


正しい歩き方を習得し、体に負担をかけず快適に歩くためには、適切なシューズ選びが欠かせません。自分の足に合ったサイズ、クッション性、柔軟性、アーチサポートなどの要素を重視し、用途に合ったシューズを選ぶことで、歩行効率が向上し、怪我のリスクも減少します。シューズ選びの際には専門店でプロに相談するのもおすすめです。

まとめ

正しい歩き方を検索すると、驚くことに正しい歩き方がたくさんでてきます。はたして、どれが本当に正しい歩き方であるのかがわからずに、ご自分に取り入れている方も多いのではないでしょうか。

今回、お伝えした歩き方は、人間の骨格・筋肉の構造上、こうなるしかないといった歩き方です。「アームリングパーソナルジムではこう教えています」といった独自のメソッドではなく、神様がそう決めた歩き方です。

もちろん、歩き方には種類があり、たとえばモデルの方が行っている歩き方もあります。勘違いしてはいけないことは、その歩き方が間違った歩き方ではなく、普段の生活のなかに、モデルの方が歩いているような歩き方が必要なのかどうかを考えて欲しいということです。モデルの方は、機能的に歩くというよりも、格好よく歩くということを重視しているので、そのような歩き方になるのです。

目的にあった正しい歩き方を選択し、本当に自分に必要なものを取り入れていただければ幸いです。

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