アスリートのお尻がカッコいい理由

陸上競技をはじめ、野球やサッカー、ゴルフやテニス、スキー、格闘技など、あらゆるスポーツ競技種目のアスリートのお尻は、よく鍛えられていて、キュッと締まっていてとても魅力的に見えます。

ではなぜアスリートがいいお尻をしているのかを、さまざまな観点から解説していきたいと思います。

アスリートの体型の特徴

アスリートは、その競技に合わせ、走る・跳ぶ・投げる・蹴るといった特異的なパフォーマンスを高めていくことが必須になるので、同じスポーツをする選手は比較的似た特徴を持つ体型になりがちです。

たとえば、陸上競技のスプリンターでしたら、速く走るために必要な下半身の裏側の筋肉(殿筋群やハムストリングスなど)が発達していて、ブレーキをかけることはあまりしないので、止まるために必要な太ももの前やふくらはぎなどは比較的すっきりしています。

それに対して、サッカーやラグビーなど、急発進・急ブレーキ・急な方向転換などの動きを要求されるアスリートの下半身は裏側(お尻、ハムストリングス)の筋肉はもちろん、太ももの前やふくらはぎの筋肉なども発達しているのが特徴です。

さらに全スポーツに共通して言えることは、“体幹(コア)”と言われるお腹や背中、腰(ウエスト)周りなど体の中心に近い胴体部分も発達しているということです。

スポーツにおける主役となるお尻の筋肉

速く走ったり、高くジャンプをしたり、ボールを速く遠くへ投げたり、強く蹴ったりする動作はスポーツでは基本となる動作ですが、こうした動作を効率よく行うためには、まず体の中心(コア)にある股関節周りの筋肉群(要するにお尻の筋肉)やお腹や背中などの体幹部が連動して働き、アクセルとして出力を調整して使うことがとても重要になってきます。

逆に腕やふくらはぎなど体から遠い部分に過剰な筋肉(重り)がついていると体を動かすのに余分な力が必要になので非効率となり、無駄なパワーが必要になる場合があります。また、股関節周りや体幹(コア)の筋肉が発達していないと強いパワーを発揮することができません。

よってアスリートは自然と股関節周りのお尻やもも裏、体幹の筋肉が発達してきます。下記の画像で競走馬の筋肉のつき方を見ればよくわかることと思います。

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◆『お尻の筋肉を鍛えると得られる効果とは』>>

お尻(股関節)を使えるようにし、鍛えることでスポーツパフォーマンスは向上する

スポーツにおけるパフォーマンスアップのための体をつくっていくにあたって、重要なのは股関節周囲の筋肉群であることは今まで説明してきたとおりですが、ここで股関節の機能についてもう少し説明します。

股関節の運動の機能には、屈曲・伸展・内旋・外旋・内転・外転の六つがあります。この六つの機能のうち、なかでも「外旋」作用が重要になります。

これはスクワット(立ちしゃがみ動作)を行う際に大切なポイントで、比較的多くの方が間違えやすい動きでもあります。スクワットやランジ系、デットリフトなどでしゃがむ際に、多くの方がまっすぐしゃがみます。特に女性に多いのですが、内股になってしゃがんでしまうケースも見られます。

しかし、しゃがむ際、股間節はしゃがむ角度と連動して、緩やかに外旋していきます。そして立ち上がる時には、外旋位から反対に内旋して元の立った状態に戻るのです。このように股関節を機能的に使うことで、お尻の筋肉を正しく使うことができます。

ちょうど相撲の四股のポジションや動きをイメージして行うとよいでしょう。そうすると股関節の柔軟性も向上し、お尻の筋肉も発達しやすくなります。さらにお尻が機能的に使えるようになると、スポーツパフォーマンスが向上するだけでなく、腰痛やひざ痛、足首などの関節の痛みも改善されることがあるので、股関節の動きはしっかり身に着ける必要があります。

人種や遺伝的要素による骨格や筋肉のつき方の違い

スポーツの試合を見ていると、黒人の選手が活躍しているシーンを目にすることが多いと感じると思います。陸上の短距離やバスケットボール、サッカーといった競技では特に黒人選手が活躍しているように思います。世界の人種を大きく分けると3つに分類することができます。白人系(コーカソイド)、アジア系(モンゴロイド)、そして黒人系(ネグロイド)の3つです。黒人のアスリートを見ていると、明らかに体格差を感じます。

黒人系は遺伝的に最も骨格が大きく、アジア系は遺伝的に最も骨格が小さいことが知られています。 骨格に差があるということは必然的に筋肉の量も黒人の方が多くなります。ほとんどのスポーツ競技において、体格が大きい方が有利となります。黒人系の選手は中枢の筋肉が発達しており抹消の筋肉が必要最低限、理想的な量でついているので、効率的に動けたり、パワーを発揮できる筋肉の付き方をしています。

特にお尻やハムストリングが発達しているのに対し、ふくらはぎの筋肉や足首は細くなっています。 陸上短距離で世界新記録を保持しているウサイン・ボルト選手の体型を見てみると、それが分かりやすく反映されていると思います。

このように黒人は人種のグループで見れば遺伝的に大きなアドバンテージを持っていると言えます。

まとめ

このように、アスリートはその競技に合った特異的なパフォーマンスを高めていくために必要なお尻の筋肉を鍛えることで、発達し、カッコいいヒップラインになるのです。

われわれもトレーニングでお尻を鍛えることで、体の安定性を高めたり、腰痛などの予防になったり、姿勢が良くなったり、脚やふくらはぎが細くなることで、美脚効果や理想的な体型維持など、さまざまな効果が期待できます。

体づくりの本質を目指す方はぜひ、このお尻の偏差値を上げることに着目していただけたらと思います。
下記は体づくりの参考になることと思います。

◆『パーソナルトレーナーが考える“怪我をしにくい体”とは』>>

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