10人に1~2人の割合で、症状を感じたことがあるという「腰痛」。
診療ガイドラインによると、ぎっくり腰を代表とする腰痛が起こった場合は、三日以上の安静はよくなく、痛みの範囲内で動いた方がよいとされています。さまざまな研究結果から、三日以上安静にした人より、普段どおり動いた人のほうが、その後の経過が良いことがわかっています。
腰痛への認識は、以前と大きく変わってきています。
今回は、腰痛の原因、改善方法について解説していきます。
腰痛の原因
そもそも、腰痛はなぜ起こるのかと言うと、原因の多くは「筋肉が硬くなること」にあります。
筋肉が硬くなるおもな原因は、おもに2種類のパターンがあります。それは、「スポーツなど運動のしすぎによる筋肉疲労」と「デスクワークなど長時間イスに座り続けることで、血流が低下して下半身の筋肉が固まってしまう」というものです。
そして、ほとんどの方が後者の理由で、筋肉が硬くなってしまいます。座っている状態は、一見楽なように見えますが、じつは座っている時のほうが立っている時よりも、腰椎の椎間板にかかる負担が大きくなるのです。
ある研究では、腰椎椎間板にかかる圧力を立っている時と比較すると、座っている時は1.4倍、さらに座った状態で前傾姿勢をとると1.9倍も負担がかかると言われています。
腰痛に関係する筋肉
では、体のどの筋肉が硬くなると、腰痛は引き起こされるのでしょうか。
その方の生活習慣によって多少異なりますが、ほとんどの場合は、お尻の “臀筋群“ が硬くなることにより引き起こります。臀筋群の役割はとても多く、立っている時はもちろん、座っている時、歩いている時、走っている時など、股関節が動く際に必ずと言っていいほど使われている筋肉です。
なぜ、この筋肉が硬くなってしまうのかと言うと、スポーツをされる方は使い過ぎによる筋肉疲労も考えられますが、ほとんどの場合はやはり長時間座っていることに原因があります。
座っている時は、股関節が曲がっているので、臀筋群以外の筋肉が使えなくなります。そのうえ、姿勢が悪いと上体を支えるお腹にも力が入らないので、上半身の体重を臀筋群や腰で、長時間支えていることになるからです。
まとめ
ストレッチやトレーニングで、体を動かすことにはメリットがたくさんあります。
筋肉的な観点から言うと、硬くなった筋肉の周りは血管が圧迫されているので、血流が悪くなっています。血流が悪くなると、十分栄養を摂っていても、その栄養を必要な所に届けることができなくなってしまいます。その結果、筋肉は硬くなり痛みを発します。
ストレッチやトレーニングなどで、血流を良くすることによって、筋肉が柔らかくなり、必要な栄養が届くことで、痛みなく生活できるようになります。腰痛改善のためには、日々、体を動かし血流を良くしてあげることが大切です。
腰痛改善に効果的なストレッチ、トレーニング動画
*音声が出ますのでボリュームにご注意ください。