
身体づくりやダイエット・スポーツでのパフォーマンスアップを目的に多くの方がトレーニングに励んでいると思います。トレーニング効果をもっと高めるには、トレーニングの内容や方法だけでなく、トレーニングが終わった後に適切なケアとして、十分な栄養を摂り、しっかりと休養することがとても大切になってきます。今回は、トレーニング効果を高めるためのポイントをご紹介します。
効果的なトレーニングとは?
トレーニングは闇雲に行っても、望んだ効果を得ることはできません。同じ時間を費やすのであれば、できるだけ効果がでた方が良いと誰もが思います。
ここでは、トレーニングで何を意識して行うかを解説していきます。
理にかなっていないトレーニングはすぐに筋肉が落ちてしまう
トレーニングをしても継続しないと、筋肉はすぐに落ちてしまうといった話を聞いたことがあると思います。しかし、これについては正しい部分もあるのですが必ずしもそうではありません。
トレーニング内容が、部分的に鍛えるような種目(ボディービルディングなど)を多く選択して身体づくりをした場合は、確かにそのトレーニングをやめた場合は、刺激量の減少に伴って筋肉は落ちていきます。
しかし、トレーニングのときだけ刺激を受けるような内容にするのではなく、日常でもその筋肉を使えるようなトレーニングの種目を選択すれば、たとえ止めたとしても、それほど大きな筋力の減少はおきません。
なぜかと言うと日常でその筋肉を使うので筋肉は刺激を受けるからです。いわば、日常の動作がトレーニングになっているのです。刺激を受ければ発達はしないまでも(負荷が軽いので)、筋肉の減少は少しで済みます。
そのように考えると、本当に理にかなったトレーニングは、日常の動作に直結した身体づくりということになります。
やみくもにマシーントレーニングを繰り返して特定の筋肉を大きくするという発想から、「日常の動作に直結した」身体をつくるという発想でトレーニングをすることが大事になります。
それでは、どのような身体づくりをすれば良いのでしょうか。
それは、アクセルとなる筋肉を鍛え、ブレーキとなる筋肉を必要以上に使わない訓練をするということになります。アクセルとなる筋肉は、股関節を中心とした、臀部の筋肉、そして安定性などに関与する体幹部の筋肉になります。
ブレーキの筋肉は、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)になります。
トレーニングでは、このアクセルとなる臀部や体幹部の筋肉を鍛え、使えるようにする必要があります。そして太ももの前の筋肉を極力使わないようにする訓練を同時に行います。

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トレーニングをするうえで、もっとも重要な下半身の筋肉
効果的なトレーニングを行う場合、どこの筋肉を優先的に鍛えるべきなのでしょうか?
まずは、上半身と下半身でどちらを優先するかを考えてみましょう。
私たちの日常生活で考えてみるとわかりやすいかもしれません。日常生活の動作は、おもに、立つ・歩く・座る・階段を上る・しゃがむ・物を持つなどが大半になります。
この動作の多くが下半身によるものです。物を持つ動作にしても、指に引っ掛けてつることが多いですし、それを下で支えているのも下半身になりますので、日常生活では下半身が主役になるのです。このことからトレーニングで優先すべきは、下半身ということになります。
次に、下半身のどの部分を優先的に鍛えればいいのでしょうか。下半身には、アクセルとなる筋肉とブレーキとなる筋肉が存在します。
このことを考えると、どこを優先的に鍛えるかの答えが出てきます。それは、もちろんアクセルとなる筋肉になります。具体的には、股関節を中心とした臀部(お尻)の筋肉になります。これを鍛え、使えるようにすることが快適な身体を手にいれるための効果的なトレーニングのコツになります。
このことを無視して、ブレーキとなる筋肉、具体的には太ももの前の筋肉を優先的に鍛えたりすると、常にブレーキを掛けながら生活しているようなものなので、日常生活での運動量が減少したり、膝や腰に痛みが発生するなどといったことも起こります。
その反面、アクセルとなる臀部の筋肉が使えるようになると、それと対になる体幹部(お腹・背中・胸など)の筋肉も連動して強化されるため身体にとっては、理想的な循環になります。

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さらに効果を高めるために気をつけること
理にかなったトレーニングを行うだけでも、十分に効果的と言えますが、さらに効果を上げるために必要なポイントを解説していきます。

トレーニングの3原理に沿って行う
トレーニングの3原理とは「過負荷の原理」「可逆性の原理」「特異性の原理」の三つのことを言います。
【過負荷の原理】
日常生活以上の負荷を身体に与え続けることを「過負荷の原理」と言います。いつも同じ負荷では、カラダが刺激になれてしまうため効果が現れにくくなります。
【可逆性の原理】
トレーニングを行って高めた体力や筋量も、トレーニングをやめると元のレベルに戻ってしまいます。これを「可逆性の原理」と言います。体力や筋量を維持するためには、トレーニングを継続していく必要があります。
【特異性の原理】
トレーニングした内容に応じて効果が表れることを「特異性の原則」と言います。筋力を高めたいのに筋持久力を高めるやり方をしていては、求める成果は現れません。どんな目的であれ、目的に合った正しいやり方を行う必要があります。
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トレーニングの5原則に沿って行う
トレーニングの5原則とは「全面性の原則」「漸進性(ぜんしんせい)の原則」「反復性の原則」「個別性の原則」「意識性の原則」の五つを言います。

【全面性の原則】
運動中、トレーニング中は、実際に動いている部分以外でも姿勢を保ち、身体を安定させるため、無意識に力を発揮している部分が存在します。そのため、一か所だけでなく全体的にトレーニングを行うことで、ターゲット部分のトレーニング効果も高まります。このことを「全面性の原則」と言います。
【漸進性の原則】
筋肉を増やしていくためには、同じ負荷でずっと続けるのではなく、徐々に段階を経て負荷を高めていくことが必要です。これを「漸進性の原則」と言います。
【継続性(反復性)の原則】
トレーニング効果を出すためには、数回やっただけで効果は現れません。反復して継続することで、はじめて効果が現れます。これを「継続性(反復性)の原則」と言います。
【個別性の原則】
性別・年齢・身体組成・体力など、すべてが同じという人は誰一人いません。そのため、目的もあわせて個人に合ったトレーニングや負荷設定を行わなくては、効率よく効果は現れません。これを「個別性の原則」と言います。
【意識性の原則】
そのトレーニングがどんな意味を持っているか。このことを理解すると、トレーニング効果が高まります。これを「意識性の原則」と言います。それを行うことでどんな能力が向上するのか、どこが鍛えられるのかしっかり理解したうえで取り組んだ方が、効果は現れやすいのです。

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トレーニング効果を劇的に上げる栄養と睡眠
栄養
タンパク質を中心に摂取
- 筋肉の修復と成長にはタンパク質が必須。
- 目安は体重1kgあたり1.2〜2.0gのタンパク質を摂取すること(トレーニング強度に応じて調整)。
- 鶏むね肉、卵、魚、大豆製品(豆腐、納豆)、プロテインパウダーなどが効果的。
トレーニング後30分以内の栄養補給(ゴールデンタイム)
- 筋肉の回復を最大化するために、トレーニング後30分以内にタンパク質と炭水化物をバランスよく摂取する。
- 例:プロテインシェイクとバナナ、ツナサンドイッチ。
炭水化物の摂取
- エネルギー源として重要。筋グリコーゲンの回復に必要。
- 白米、さつまいも、全粒粉パンなどを適量摂取。
脂質も適度に摂取
- ホルモン生成に必要。アボカド、ナッツ、オリーブオイルなどの良質な脂質を取り入れる。
ビタミンとミネラルの補給
- ビタミンC(抗酸化作用)やカルシウム(骨の強化)が重要。
- 新鮮な野菜や果物、乳製品、ナッツ類を意識的に摂る。
水分補給
- トレーニング中に失われた水分を補うために適切な水分補給を行う。
- トレーニング中は30分おきに200〜300mlの水を摂取するのが目安。
睡眠
睡眠時間は7〜8時間が理想
- 筋肉の回復と成長には十分な睡眠が必要。
- 深い睡眠中に分泌される成長ホルモンが筋肉の修復を助ける。
睡眠前の食事を調整
- 寝る2〜3時間前には食事を済ませるのが理想。
- 寝る直前の重い食事は消化活動を促進し、睡眠の質を下げる可能性がある。
睡眠環境の整備
- 室温は快適な18〜22℃、暗く静かな環境を作る。
- 寝る1時間前にはスマホやパソコンなどの画面を見ない。
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リカバリーのための昼寝
- 20〜30分程度の昼寝は、疲労回復や集中力の向上に効果的。
- ただし、夕方以降の昼寝は避ける。
積極的休養
- 完全な休息だけでなく、軽いストレッチやウォーキングなどを取り入れることで血流を促進し、回復を早める。
一週間に最低1〜2日は完全休養日を設ける
- 筋肉だけでなく、神経系や精神的な回復のためにも重要。

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まとめ
トレーニングを効率よく進めるためには、継続性とバランスが鍵となります。一時的な頑張りだけでなく、無理のない範囲で習慣化することが重要です。
特に、栄養摂取や休養の質は、トレーニングの成果を左右する要素であり、これらを正しく管理することで、筋力や体力の向上を確実に実感できます。
また、日々の進捗を記録したり、定期的に目標を見直したりすることで、達成感を得ながらモチベーションを維持できるでしょう。焦らず地道に取り組むことが成功への近道です。